堤川を挟んだ東西のやきそばの横綱店があります。
全国にやきそばで町おこしをする地域が数ある中で、観光情報誌にもこれまで取り上げられることの少なかった「青森市のやきそば」。
しかし、青森市は総務省の家計調査で、生中華麺の消費量で全国第2位、即席麺なら堂々全国第1位という「超~麺好き」の市民です。
こんな麺好きに愛され続けてきた太麺の焼きそば専門店がいくつもあります。
青森のソース焼きそばの原点は、終戦直後から昭和30年代中頃まであった市の中心部を流れる堤川沿いの屋台といいます。当時の焼きそばは肉の代わりに魚肉ソーセージ、そして少量の野菜といったシンプルなものだったそうです。
このルーツとも言うべき堤川の東西に今も青森のやきそばを代表するやきそば専門店があります。
まずは、西の正横綱
「鈴木焼きそば」。
昭和36年創業で、市内ではもっとも古いお店で、青森市の焼きそば通なら誰もが知っているお店です。店内は大人がひしめき、まさに老舗の貫禄があります。
青森のやきそばの特徴であるふつうの中華麺の2倍以上はある太い四角の麺に甘辛いソースが絡み、むちっとした食感と小さく刻んだキャベツ、そしてかりっと炒められた豚肉が食感をさらに刺激します。
そして、東の正横綱
「後藤やきそば店」
創業から40年。堤川の東の後藤やきそば店は、やはり店内が大人でいっぱい。
並で2玉もある焼きそばに食らいつくお客様で店内には居場所がないくらいでした。
「本当にうまい焼きそばは冷めてもうまい。」
青森の焼きそば好きが決まって言うことばです。
東西横綱がともに使う麺は、市内で業務用のみに流通されるやきそば用の「ゆで麺」。
スーパーなどで一般家庭向きに売られているのは「蒸し麺」とは違います。
この焼きそば店用の専用麺は、堤川の屋台時代からあらかじめ固ゆでされていて、焼きそばを炒めていくうちに野菜のエキスを吸い、秘伝のソースを吸うことでちょうどよい堅さになり、さらに冷めてもブツブツ切れない。まさに屋台で作り置きしておいてもお客様から喜ばれた麺なのだそうです。
後藤やきそば店もまた、小さく刻んだキャベツが顔を覗かせる程度でメインは「麺」。
「青森の焼きそば好きは、この焼きそばの「麺」が好きなんだ!」
中華麺好きの市民が麺を楽しみに食べる「焼きそば」。
350円で完全に満腹が訪れます。
「堤川」と「焼きそば」。最近、すんごくハマっています。 byなおき
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