青森県のながいもは全国一の出荷量。国内生産量の約4割を占めています。
「ながいも」は滋養強壮や疲労回復に効果が高いとされるため、なんとなく「夏」のイメージがありますが、ながいもの収穫時期は晩秋と春の年2回。県全体では、11月から積雪前にかけて収穫する秋掘りが全体の約6割で残りの4割が雪解け後に収穫する春掘りです。ながいもの旬は2回やって来るのです。
さらに面白いのはそれぞれに味わいが異なること。秋掘りは、完熟したてのみずみずしさがあり、ひげ根を火で軽くあぶれば皮ごと食べられるほどです。一方、春掘りの味わいは越冬野菜ならではの熟成されたおいしさ。土の中で天然貯蔵されたながいもは、大地の低温と潤いで、旨味も成分も凝縮されます。(流通の切り替えは例年5月ごろ。)
ところで、青森ながいもが”日本一”と言われる理由は、生産量が多いことだけではありません。雪のように真っ白でアクが少ない食べやすさ。サクサクっとしたライトな歯応え。甘味を含んだフレッシュな香り。このようにずば抜けた品質を持つ青森在来種「ガンクミジカ」だからこそなのです。「ガンク(首のこと)」が短く肉付きの良いことがその名の由来。
評価が高いガンクミジカは、今では県外にまで普及し、東北各県はもちろんのこと、主要な各産地で広く作付けされています。青森から生まれた名系統ガンクミジカは、今やニッポンの食卓になくてはならない”ながいものスタンダード”になっています。
by 義人
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