~やわらかい陽差しと温泉熱で育てたまろやか春菊~
春菊は地中海沿岸が原産とされるキク科の一・二年生草本。
食用とするのは日本など東アジア地域だけなのだそうです。
すき焼きなど鍋物に欠かせない春菊の旬は11月から1月にかけて。
この季節は県内のスーパーでもよく見かけますが、
そのほとんどは主産地である関東地方で生産されたものです。
春菊は、栽培期間が短く病害虫にも強いため、
比較的作りやすい作物に分類されるとはいえ、
寒い寒い冬の青森で生産するのは簡単なことではないのです。
ところが、岩木山をのぞむ津軽平野のど真ん中で、
12月から2月の厳冬期に旬を迎えるおいしい津軽の春菊がありました。
小堀農園の「冬陽しゅんぎく」です。
小堀さんが冬場の春菊栽培を本格的に始めたのは今から10年ほど前のこと。
自宅の敷地内から噴出した温泉を40棟ものビニールハウスに張り巡らして気温(外気温プラス8℃くらい)を確保しています。
「温度はなんとかできても雪の日ばかりで日照が足りないのでは?」
当然のように思い当たる疑問ですが、
実はこの日照不足こそ、
やわらかくてアクのないまろやかな春菊をつくるキーポイントになるのだそうです。
「食べ比べれば違いは明らか。嫌な青臭さがなく茎元までおいしい。」と小堀さん。
葉は鍋やお浸し、茎はきんぴらがおすすめで、
そのおいしさは春菊嫌いがついつい”おかわり”しちゃうほどだとか。
しかも減農薬・減化学肥料のこだわり栽培です。
12月から2月に出回る弘前産の春菊は、おそらくこの「冬陽しゅんぎく」。
スーパーで出会ったら一度食べてみてください!
by 義人
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