3月21日まで ご覧になっていない方はぜひどうぞ。
今年1月に急逝された津軽こけし工人会会長の佐藤佳樹さんの遺作展が
黒石市の津軽こけし館で開催されています。
こけしは、東北の山村で生まれ、湯治客の土産物として売られてきた
轆轤(ろくろ)引きの木製人形で、東北地方固有の郷土玩具です。
技法などが継承されていくに従い、その地域の風土に合ったものが作りだされ、
津軽を含めた10系統に分類できます。
津軽こけしは東北のこけしの中でも比較的歴史は新しく、大正時代に始まったようです。
黒石市の温湯(ぬるゆ)温泉は、大鰐とならぶ「津軽こけし」発祥地のひとつです。
それまでにないくびれた胴とアイヌ模様・ダルマ絵・ぼかし牡丹のこけしを作ったのが、
温湯こけしの創始者・盛秀太郎。
墨絵を模様付けするその直弟子佐藤善二と、新しい意匠を付け加えながら
木地師たちに受け継がれてきました。
佐藤佳樹さんは、盛秀太郎の直弟子 父 佐藤善二を師とし、
昭和61年鳴子で開かれた全国こけし祭りにおいて毎日新聞社賞を初受賞。
これを皮切りに林野庁長官賞、経済企画庁長官賞、運輸大臣賞、農林水産大臣賞、
知事賞など、その卓越した技能を認められながら、
「一人でも多くの人にこけしの良さを知ってもらいたい」と
「津軽こけし工人会」会長の重責も担ってきました。
師匠の父善二亡き後、師匠が積極的に取り組んでいた各地での実演を続けていきます。
ワタシの周りにいる物産展などに携わった人たちが共に口にするのは、
佐藤佳樹さんには助けられました、という言葉。
全国各地、あるいは海外といった慣れない土地で青森県の物産を紹介しようと
朝から晩まで関係者が合宿のように過ごす長い期間。
そんな中にあっても、佳樹さんのやさしさで何度励まされたことかわからない、と述懐します。
「名工、名人を夢見るな。職人になれ。」
と言った父の言葉を忘れる事無く、一人でも多くの人にこけしの良さを知ってもらいたい、
とお客さまと直接向き合い、直接触れ合える実演を好んだ佳樹さん。
そんな多くの方々に慕われた佳樹さんの業績を紹介するため、
津軽こけし館が全国のファンに呼び掛けて、約130人のコレクションの中から、
佳樹さんの作品が570点集まり、開催しているのがこの「佐藤佳樹遺作展」です。
初期の作品や師匠譲りの墨絵模様、そして横睨みのじょっぱりだるま、色紙など、
その生涯を偲びながら、東北の素朴な「可愛いワラシコ」に向き合った卓越した意匠、技能にあらためて感動します。
3月21日までです。
※こけし館の隣「津軽伝承工芸館」では、「黒石めんめんサミット」も開催中ですよ♪
期間は同じく21日まで。
開催時間は11:00~15:00
黒石の各店自慢のラーメン・焼きそば・つゆ焼きそばが大集合!
15店舗が集結し、つゆ焼きそばなどの実演販売とパックやきそばの販売を行っています。
by なおき
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。