野球をやっている人(好きな人)は、
プロ野球のキャンプが佳境に入るとウズウズしてきませんか?
オープン戦が始まるとその血はさらに騒ぎだし、
甲子園で選抜大会が始まる頃には、
その血潮が身体のあちこちから吹き出します。よね?(笑)
これは冬期間雪で野球ができない北国人だけの感覚なのでしょうか。
つい先日、
私が初めて野球をやったときに使った懐かしいボールと再会してしまいました。
それがこの「つぎまり」です。
南部地方には「南部裂織」という織物があります。
使い古した布を細かく1㎝幅に裂いて横糸にし、
木綿糸を縦糸にして織り込んだ南部裂織は、
衣料が貴重だった江戸時代に、
着古した着物や布を再生する機織りの技法として生み出された織物です。
(↑今では、衣類やこたつ掛けだけでなくバッグまであって人気です。)
厳しい生活を強いられた農村の人々の知恵の産物であり、
そこには、ものを大切にする”もったいない”という精神があります。
このボールも、
物を大切にする心から生まれたものなのでしょう。
裂織のときに出る糸くずや切れ端を芯にして、
裂織と同じように細く裂いた布をひたすら巻いていき、
適当な大きさになったところで、
布がゆるまないよう木綿糸を張りめぐらせます。
とっても手間がかかるこのつぎまりは、ひとつ315円。
今でも八戸駅前のユートリーで販売していますので、
機会があったらひとつお求めになってみてはいかがでしょうか。
とってもやさしい手触りで、
なんだか気持ちまでやさしくなっちゃいますよ~。
私は小さい頃、
家にあったこの布製のボールを投げ、
これまた普通にあった手箒で打ち、
畳の角をめがけて滑り込んだものでした(笑)。
(つぎまり→ゴムボール→軟式ボール(写真なし)→硬式ボール。南部人のスタンダードです。笑。)
ボロボロになるまで使ったあの頃の「つぎまり」は、
祖母が作ってくれたものだったのか、
それとも買ってきてくれたものだったのか、
今となってはわかりません。
でも、私が野球好きになったのは、
間違いなくこのボールがあったからだと思います。
ありがとう。
by義人
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