毎日お暑うございます。
「青森の夏」はねぶたとともに始まり、ねぶたの終わりとともに終わりを予感させる本当に短いもの、それであればこそ熱く燃えあがるのだ!というのが決まり文句…のはずが、今年はなんとしたことかこの天候。
当ブログ読者諸氏におかれましても、すっかり秋が恋しいことと心中お察し申し上げます。
その待ち遠しい「秋」と「青森」で連想するのはもちろん日本一の「りんご」。
今日は一足早く秋の味覚を先取り!
…なんて言っておきながら、実は夏の間にもりんごは既に出回っています。
農家さんも、同じ品種ばかり作っていては一時期に作業が集中してしまうため、早い時期に収穫できるものから11月上旬のエース「ふじ」まで、いろんな品種を作るのが一般的です。
8月の20日頃までに収穫を迎える品種は「極早生(ごくわせ)種」と言い、現在代表的なものが「夏緑(なつみどり)」。
ご存じでない方も多いかもしれませんが、上の画像の通り、8月上旬には収穫され、普通に売られています。日持ちがしないので、売られている期間が短いこともあまり知られていない要因かもしれませんね。
夏の盛りに登場するこの夏緑、私にとっては「この真夏に…?」という少しのとまどいをたらすのも事実ですが、食べると意外と歯応えがあって、爽やかな甘さがおいしい品種です。
そんな夏に食べられる極早生種のりんごに、将来新たな仲間が加わります。
「恋空」と「しおりの詩(うた)」の二つの品種がそれ。いずれも8月中旬が収穫期です。
左が「恋空」、右が「しおりの詩」
「父が○○で母が△△」と簡単に説明できると良いのですが、話はそう簡単ではないので系統図を…と思ったのですが、うーん(^_^;)名前が付かなかったりんごも混じっていて、ちょっと想像がつきにくいかもしれません
図にあるとおり、新しい品種ができるまでには20年以上を要することもある、という気の遠くなるような作業を必要とします。
してみると、今現在おいしく食べているりんご達も、全ては先人から引き継がれてきた情熱の結晶でもあるのですね。ありがたや…
そして去る8月28日、東京はお台場デックス東京ビーチで行われた「2010野菜の日WEEK」で県外での初お披露目がされました。
実際に市場に出回るのは2~3年後なのですが、今回はそのお披露目に出演(?)したサンプルを、イベント終了後にいただくことができました。
「恋空」は比較的小さめです。ぱっと見、果皮の色が濃く、噛むと甘さが口に広がる感じ。食感はあまり硬くはないです。
「しおりの詩」は極早生種の中では大きなもので、実は糖度は「恋空」とほぼ変わりませんが、酸味が若干感じられてさっぱりした味わいです。どっちもおいしい!
おいしいりんごを少しでも長い期間食べてもらいたいという努力の末に生まれ、同じ年に新たな品種として登録され、同じ時期に収穫される二つのりんご。
末永く愛され続けることで、「りんごは夏もおいしい」と定着させる品種となるのでしょうか。
それとも、残暑の中にありながら秋来ぬと、目にさやかに見せるりんごとなるのでしょうか。
そんな将来を想像しながら、今はまだ貴重なりんごをもぐもぐと、ありがたくいただいたのでした。
by くどぱん!
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