昭和63年3月13日に廃止された青函連絡船。青森発函館行きの最終便だった八甲田丸は、日本初の鉄道連絡船博物館に生まれ変わり、昔のままの姿で青森港に係留されています。(以前、ブログで紹介させていただきました。)
一方、この写真ですが・・・、八甲田丸ではありません。この船、八甲田丸と同じ青函連絡船だった羊蹄丸(ようていまる)で、東京のお台場にある船の科学館の別館として係留されています。
羊蹄丸は、函館発青森行き最終便の船で、一度は見てみたいなぁと思っていた船でした。
外観は昔ながらの姿のようですが、内部はそのままというわけではなく、大きく改造されていました。入場できるのは地上4階地下1階部分で、エンジンルームなどは見学できませんでした。
入口のある2階部分は、子ども向けの展示スペースでしたが、1階に下りてみると・・・
青森と函館の物産コーナー発見! 後ろの写真・・・昔の青森駅ではないですかっ。・・・何だか、青森の香りがしてきたぞ~、と思って青函ワールドに入ってみると、そこは昔の青森駅前でした。
昭和30年代の青森駅と駅前を体感できるゾーンが広がっていました。
当時の駅前の様子を知り合いに聞いてみたら、「りんごや魚を売る店や飲み屋が並び、連絡船の出発を待つ人がお土産を買ったり、飲んだりしていた。」そうです。
「あんた、何でこんな魚仕入れてくるのよ~。」「うわ~、勘弁してくれ~。」(実際にこんな感じの音声が流れ、人形も少し動きます。) ・・・こんな様子が、実際にあったのかもしれませんね。
さらに進むと、青森駅を再現したところに到着です。奥には連絡船の船体が再現され、機関車と客車の実物があります。
当時は、担ぎ屋と呼ばれる方たちが荷を背負い、連絡船に乗って函館まで行商に行っていたそうで、写真手前の人形が、まさに担ぎ屋さんなのでしょう。
展示されている運賃表も実にリアル。12月4日に新幹線がやってくる新青森駅は昭和61年開業なので、運賃表にはありません。青森・弘前間が二等で200円・・・。現在の金額でどれくらいになるのだろう?
色々な思いを持って、多くの人たちが連絡船に乗船したことでしょう。
思いがけず出くわした青森でしたが、大変興味深く見学できました。人形の前掛けには、お店の名前や住所などが記載されていたので、本当にあったのか、今もあるのか、実に気になるところです。
by ハッピーハンド
<船の科学館>
東京都品川区東八潮3-1(新交通ゆりかもめ「船の科学館」駅下車)
電話 03-5500-1336
開館時間 10:00~17:00
休館日 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)、年末年始
※春・夏・冬休み、GW期間等は変更されます。
入館料 大人700円 18歳以下400円(団体、シルバー、障害者割引あり)
※羊蹄丸(別館)のみ見学する場合は、「寄付金」だけで入場できました。
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。