県内各地で雪祭りが行われていますが、道路の雪もだいぶなくなって、春が近いなぁ感じます。立春もすぎているので、暦の上では春なんですよね。
さて、この時期に南部地方で行われているのがえんぶりです。2月17日、八戸えんぶりが始まったので、早速行ってきました。大変有名なお祭りですが、直接見るのは初めてです。
八戸に着いたのは10時半ころで、ちょうど市の中心街で「一斉摺り」が始まるところでした。
大きな烏帽子をかぶった「太夫」の舞は「摺り」と呼ばれ、全部で33あるえんぶりの組が一斉に摺る姿は圧巻のひとこと。平日にもかかわらず、多くの方がそれぞれの組を取り囲むように集まり、熱気に満ちあふれていました。
えんぶりは、豊作を祈願するもので、「摺りこみ・摺りはじめ・祝福芸(松の舞、大黒舞など)・中の摺り・摺りおさめ・畦どめ」と呼ばれる舞があり、組によって若干内容が異なるそうです。
また、ゆったりと舞う「ながえんぶり」と活発に舞う「どうさいえんぶり」のふたつの型があり、太夫がかぶっている烏帽子でも見分けがつきます。
(左・ながえんぶり/右・どうさいえんぶり
「ながえんぶり」の烏帽子には房がついておらず、主役太夫の「藤九郎」には、真っ赤なボタンの花がついているのです。いずれの烏帽子もそれはまぁ見事なもので、芸術品です。
夕方、国の有形文化財の更上閣にやってきました。
明治時代に建てられた純和風建築で、2005年からこの庭で「お庭えんぶり」が開催されているのです。(人数限定・有料なのでご注意!)
夕闇を照らすかがり火がたかれ、雰囲気が盛り上がります。庭に積もった雪の上に太夫たちが登場すると、建物内のお客さんの目は庭の方に釘付けとなりました。
太夫の摺りの合間には、子どもたちによる松の舞や大黒舞が披露され、舞が終わるたびに大きな拍手が巻き起こります。
1回の公演で「ながえんぶり」と「どうさいえんぶり」の2組の舞が披露され、その間およそ1時間。本当にアッと言う間で、時を忘れて完全に見入ってしまいました。
太夫の摺りの勇壮さはもちろん、子どもたちによる舞もとても見事です。鯛を釣り上げるえびす舞はとてもおもしろく、その口上のおかしさに思わず笑ってしまいました。
きっと、将来大きくなったこの子どもたちが太夫となって摺りを披露するのでしょう。伝統が受け継がれていくのは、とても素晴らしいことです。
最も心に残ったのが「中の摺り」。田植えを表すこの舞で太夫がみせた表情・・・凄みを感じました。
みなさんも春の訪れを告げるえんぶりを見に、ぜひ足を運んでみてください。
by ハッピーハンド
※八戸えんぶりの行事スケジュールは、八戸観光コンベンション協会のHPで確認してください。
「お庭えんぶり」のほかにも有料のイベントがありますので、ご注意ください。
<八戸観光コンベンション協会>
青森県八戸市大字堀端町2-3(八戸商工会館1階)
0178-41-1661
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