まるごと青森

twitter facebook rss
工藤パンの『イギリストースト』

青森ふるさとベーカリー4 ~工藤パンの『イギリストースト』 ~

グルメ | 2011-02-25 18:28

青森県内を歩いていると、時々見かけるこの看板。

工藤パンの『イギリストースト』

「なぬっ、ユ藤パン!?」
と県外の方が思ってくれれば期待通りの反応ですが、そうではありません。
青森に居たことのある人なら誰でも知っている、青森パン界の巨人、「工藤パン」です。

私たちが提唱する「ふるさとベーカリー」は、kuuが書いたとおり、基本的には地域で愛され続ける特別なパン、そしてそれを作り続ける「街のパン屋さん」です。

が、基本いったいなにするものぞ、そこのけそこのけイギリストーストが通る。
青森県民ならきっと誰もが一度ならず手にしたことがある、どうしても無視できない存在。
それが「イギリストースト」様です。

工藤パンの『イギリストースト』

しかしこのパン、以前YOSHIHITOが考察を加えたことがあるとおり、普通に考えると少し、変なところがあります。
その最大のものは、”なぜ焼いていないのに「トースト」なのか”というもの。
そして青森県内でそれを疑問に思う人がほとんどいないという不思議。

「恋は盲目」

そうです、そんな欠点など目に入らないくらいに、青森県民はこのパンに魅入られているのです。魔性のパン、と言ってもいいでしょう。
いやむしろ、少々の欠点こそが人々を惹きつける要因なのかもしれません…

一方で、誇らしげに表示されているイギリス国旗は、なんとイギリス大使館に問い合わせて「使っても良い」との了承をいただいているのだそうです。
そんなご経歴をおくびにも出さない奥ゆかしさも、内面の魅力となって輝きを増しているのでしょうか(←んなこたぁない)。

そんなおパン柄(お人柄…)のイギリストースト様ですが、ご自身は至ってシンプルな”なり”をされています。
二枚の食パンの間に、グラニュー糖を混ぜたマーガリンが挟まっている。ただそれだけ。
しかし実は、使用する小麦粉、マーガリン、砂糖には徹底的にこだわったという本格派でいらっしゃいます。

工藤パンの『イギリストースト』

山型のかわいらしいお姿を愛でて一口頬張ると、お砂糖が「じゃりっ」と口中で音をたて、噛みしめるごとに甘さがお口いっぱいに広がっていきます。
「甘い」は「うまい」。まさに言葉の通りです。

工藤パンの『イギリストースト』

お年は、昭和47年生まれの38歳昭和42年頃生まれの43歳ほど
お生まれになった当初は、一枚のパンの片面にマーガリンが塗られておりましたが、夏場になるとマーガリンが溶けて袋にくっついてしまうなどの問題があったことから、昭和51年に現在のような二枚のパンに挟む形になりました。
それ以外にお変わりになった点はほとんど、ございません。

さて、それでは少し、私とイギリストースト様との思い出をお話しいたしましょう。

もちろん、私も小さな頃からイギリストースト様の大ファンでした。周りの友達もそうです。
子供はお行儀など気にせず好きなように食べますから、耳を先に食べて最後に甘い部分を口いっぱいに頬張るタイプ、逆に先に真ん中から食べて最後にまあるく耳を残すタイプ、いろいろいたものです。
いちばんお行儀が悪いのは、二枚をはがしてマーガリンをなめてしまうタイプ、ですかね。
それって最後に残るのはびしょびしょの食パンじゃん…

いくらか成長し、部活帰りに甘いものが欲しくなると、帰り道のあっちのお店の鯛焼きにしようか、それともイギリストースト様にしようかと迷ったあの頃。
そして大人になってお酒を飲むようになり、「酒の肴ってしょっぱくてね、甘いもの食べたくなるんだよね」と帰りにコンビニでイギリストースト様を買い求める日々…

近所で雑多な食料品を置く個人商店の姿が減って「工藤パン」の看板も一時ほど見られなくなり、主な販売の場がスーパーやコンビニに変わっても、常に生活のそばにイギリストースト様がいらっしゃいました。

そういえば、県外に住んでいて青森に戻るたび、スーパーの棚からイギリストースト様が消えるほどに買い込み、冷凍して保存している勇者がいる、という話を聞いたこともあります。
そこまでいかなくても、県外にいてこのパンを懐かしく思う方はたくさんいることでしょう。

じゃあ県外でも売ればいいのに、と思うのが自然な流れですが、不思議なことに県外販売にチャレンジしてもほとんど売れないのだそうです。
それでいて毎日、7千個から1万個ものイギリストースト様が誕生しているというのですから、まったく、青森県民の主食はイギリストーストなのではないか、と疑いたくなるほどです。

そんなイギリストースト様は、やはり大手の製品とはいえども県民にとっての特別なパンであり、工藤パンは紛う方なき”ふるさとベーカリー”の一つなのであります。

by くどぱん! は工藤パンの関係者ではありません…
(※あなたとイギリストースト様の思い出、あなたの街のふるさとベーカリーのお話もぜひお聞かせください!)

P.S.平成22年から工藤パン新町店では、塗りたてのイギリストーストを提供するサービスを行っています。できたてほやほやのイギリストーストを食べてみたい方はぜひそちらへ。

【工藤パンの「イギリストースト」】
「イギリストースト」のパン年齢 昭和47年誕生の38歳昭和42年生まれの約43歳
工藤パン(営業部)  青森市金沢三丁目22-1  tel.017-776-1946
工藤パン新町店    青森市新町一丁目12-19 tel.017-722-3847
※初出時、パンのご年齢に誤りがありましたので修正しております。失礼いたしました。

青森の観光・物産・食・特選素材など「まるごと青森」をご紹介するブログ(blog)です。
青森県で暮らす私たちだからこそ知っている情報を県内外の皆様に知っていただく記事をお届けします。

まるごと青森Facebookページ始めました。
登録がある方はもちろん、ない方も登録して下記ページで「いいね」のクリックして、まるごと青森ブログともどもご愛顧をよろしくお願いいたします。
まるごと青森FBページ

月別記事一覧

月別一覧ページへ

青森県の暮らしぶりを訪ねる旅