今の時期、りんご農家はどのようなお仕事をしているの?そんな疑問を解くため、青森県平川市のりんご農家「きむら果樹園」を訪ねました。こんにちは~!
今年は、雪がとても多かったため、4月になったというのにりんご園にはまだ雪が・・・。
そんな足場の良くない状況で、しかも雪がちらつく中、すでにりんご作業は始まっていました。木村さんが黙々と行っていたのは、整枝・剪定(せいし・せんてい)です。
整枝・剪定とは、春から秋にかけて、りんご作業をしやすくすることや、りんごの木の内側まで太陽の光がとどくようにするために、りんごの蕾の大きさや量などを見ながら、不要とされるりんごの木の枝を切り落とし、枝の配置を整えていくという、とても高度な栽培技術です。
知識・経験・そしてセンスが求められます。
一言に、整枝・剪定といっても、先人たちが築き上げてきた様々な流派があり、またそれぞれの流派を継承する巨匠がたくさんいるそうです。
青森県のりんご生産者は、若い時から、それぞれの流派の中から自分の感性・スタイルに合った流派の剪定手法を学び、それを基本として自分なりの技術をさらに磨いていくのだそうです。
しかしなぜ、青森県のりんご生産者は、そこまで剪定技術にこだわるのでしょうか!
それは、「冬の剪定作業によって、秋に収穫するりんごの品質が決まってしまう!」と言っても過言ではないほど、とても重要な作業だからです。
「千本の木を切らなければ、一人前にはなれない。」との格言があるくらいです。
もはや、「りんご生産者」というよりは、「りんご職人」といったところですね。
その剪定作業の必需品といえば、「りんご剪定鋸」と「りんご剪定鋏」。
その種類や品質たるもの、鍛冶職人が作る高価なものからホームセンターで購入できるものまで様々、ピンキリとのこと。
剪定作業をするときのスタンダードな格好はこうです。
腰の右側には、ピストルのごとく剪定バサミを装着し、腰の左側には日本刀をイメージさせる剪定鋸を備えます。
しかし、この日、木村さんが使っていた鋸は、高い枝にも届くように柄の部分がかなり長い!
日本刀というよりは、槍ですね。(通称:長柄鋸)
りんご栽培歴45年の木村さんは、この槍のような鋸を巧みに使いこなし、高いところや低いところのどんな枝も、次々と迷いなく切り落としていきます。
この長柄鋸を使いこなすためには、相当熟練が必要とのこと。未熟な人はすぐに鋸の部分を折ってしまうのだそうです。スパン!お見事!☆☆☆
剪定鋏は、花芽(りんごの花が咲く部分)がついている細くてデリケートな枝を切るときに使うことが多いようです。
チョキン!
あと、もう一つ剪定作業に欠かせない重要な作業を見つけました!
それは、切り落とした枝の切り口に、お薬(塗布剤)を塗る作業です
これは、りんごの木を枯らしたり、病気にさせる菌などが、切り口から侵入するのを防ぐためのお薬なんです。(お薬の名前:トップジンMオイルペースト)
私たちもけがをしたときに傷口からばい菌が入らないように塗る軟膏のうなものですね。りんごの木も人も一緒ですね~
しかし、剪定した切り口のほとんどに塗らなければならないのですから、根気のいる作業です。
さて、私がいちいちおどろいている間に、1本の木の剪定が終了したようです。
剪定前、剪定後、いかがでしょうか。
とてもさっぱりしましたね。
床屋さんに行く前と、行った後のようです。
ここまでくると、もはや芸術品ですね。
今はまだ、りんごの蕾は固い状態ではありますが、5月にはかわいいりんごの花を咲かせ、秋には立派なりんごを実らせてくれることでしょう。
収穫の秋が楽しみです!
青森県のりんご生産者の皆さん、今年もおいしいりんご期待してます!
by ひっさ
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