青森の伝統的なラーメンといえば、煮干しや焼干しで出汁をとった醤油味のラーメンを思い浮かべる方も多いと思います。
そんな青森のソウルフードのトッピングは、チャーシュー、メンマ、ネギ、そしてナルト?それとも「麩(ふ)」?
私は断然「麩」派です。
(弘前市・キンタのラーメン)
透き通ったスープをたっぷり吸った麩は、お口に入れるとフワフワ・トロトロ。
麺と絡んだスープや、レンゲですするスープとは違う味わいを楽しめます。
麩は、高タンパク・低カロリーで知られていますが、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛などのミネラルも豊富です。また、脳内で情報を伝える神経伝達物質の材料となるグルタミン酸や、血糖値の急激な上昇を抑える小麦アルブミンも多く含み、美肌効果が期待されるプロリンも多く含まれていて、美容と健康にうれしい食品です。
ラーメンに麩を乗せるのは、県内では当たり前ですが、実は青森県以外では秋田県や北海道の一部といった限られた地域なのです。
青森でラーメンに乗せるのは「棒麩」というサクサクの焼き麩ですが、その棒麩を作っている工場が弘前にあります。
株式会社 松尾は、創業明治15年の「津軽百年工場」です。
「松尾の麩」といっても馴染みのない方が多いと思いますが、おやつの定番「ジャンボー」は県人ならご存じの方も多いのでは?そう、あの特大の、黒蜜たっぷり、サクサクの麩菓子です。
サクサクの麩菓子を焼いている松尾の棒麩は、フランスパンを焼く時と同じように蒸気をかけて焼き上げています。
そのまま食べられるほど軽い焼き上がりなので、水戻し不要で、ラーメンに入れるだけでスープをよく吸収してくれるのですね。
県内ではラーメン店だけでなく、町の食堂や蕎麦屋(津軽地方ではラーメンも出している蕎麦屋があります)、天ぷら屋、そして温泉の食堂など、多くのお店で麩の乗ったラーメンが出されています。
(写真は左から、弘前市・文ちゃんラーメン、マル金、天ぷら松味屋)
(左から、青森市・佐藤蕎麦店、出し屋五丈軒、五番軒)
煮干しや焼干し以外のスープのお店もありますので、食べ比べて自分のお気に入りを探してみるのも楽しいかもしれません。
By Hana
株式会社 松尾
〒036-8092 青森県弘前市城東北3-11-12
電話 0172-27-4218
FAX 0172-28-2138
http://www.foo-matsuo.jp/
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