焼き麩がのったラーメンに魅せられて、「ラーメンの麩はお好き?」では青森市と弘前市のお店を、「ラーメン三昧、麩三昧」ではつがる市木造のお店とラーメン麩をご紹介してきました。
しかし、麩がのったラーメンを語る上で、絶対外せないのが青森市浪岡地区です。
浪岡といえば、食堂が多くてどこもおいしいと、地域の皆さんは胸を張って、しかも強い口調で断言されます。「浪岡の食堂は全部おいしいから、どこが一番とは言えないね。」と。
そんな浪岡の食堂でラーメンを注文すると、必ず、必ず、麩が1個または2個載ってきます。
浪岡の皆さんは、麩が載っていることにも強い誇りを感じているようで、私よりも麩を熱く語る方がいて驚くこともしばしばです。
浪岡の魚介系あっさりスープをたっぷり吸った麩は、時にはやけどしそうなほど熱かったりするのですが、それでもプルプルでのど越しツルリの食感と、お口の中でジワーっとしみだすスープは、それだけで十分なご馳走といえます。
(焼干しの出汁が効いているうの食堂のラーメン)
(麩とチャーシューが二切れずつでうれしい竹美屋食堂のラーメン)
そんな浪岡で、とんでもないものを発見してしまいました。
場所は、マルミサンライズ食堂さん、昭和40年創業のお店です。
ラーメンを注文し、運ばれてきたのは、澄んだスープに包まれ、焼き麩が載ったラーメンですが・・・
チャーシューも大きいのですが、なんだか麩が大きいような気がします。
勇気を出して、「麩の模様を見ると、弘前市の松尾さんの麩のようですが、なんだか大きくありませんか?」とご主人にお聞きしたところ、「松尾さんに特注して作ってもらっている、オリジナルの麩です」とおっしゃいます。
自家製麺や自家製チャーシューのお店はよく聞きますが、まさか、麩を特注しているとは。
マルミサンライズ食堂の店主、三上さんは、津軽煮干会に所属し、仲間と一緒に東京ラーメンショーにも出店されています。その時に特注で作ってもらった焼き麩を、継続してお店で使用しているそうです。
松尾の焼き麩は、一般的な麩よりも軽く焼きあげているのが特徴ですが、三上さんは、スープを沢山吸ってもモチモチの食感を残したいがために、あえて大きくて堅めの麩を特注しているそうです。
普通の棒麩と、マルミサンライズ食堂のラーメンに載せている特注の麩を比べると、こんなに大きさが違います。
左上が普通の棒麩、左下と右が特注の麩。(一部欠けていてすみません。)
魚臭さが出にくい鰺の出汁にこだわっていると三上さんがおっしゃるとおり、
さっぱりとした出汁の香りがする、すっきり澄んだスープを吸った大きめの麩は、
他の麩よりもモチモチ感が強いように感じました。
鰺出汁へのこだわりと、そのすっきりとした味わいを余すところなく引き出すために、
麩まで特注してしまう三上さんは、常に研究熱心で、新製品の開発に余念がありません。
次はどんなサプライズを私たちに提供してくださるのか、楽しみです。by Hana
◆マルミサンライズ食堂
青森市浪岡大字女鹿沢西種本13−1
電話 0172-62-8008
営業時間 11:00~23:45
定休日 12月31日、1月1日、8月13日~14日
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