7月に入り、夕方になるとどこからかねぶた囃子が聞こえてくる青森市内。
アスパム近くのラッセランドでは、22台の大型ねぶたの制作作業が着々と進められています。
ねぶたの制作作業を案内しながら説明してくれる「ねぶたガイド」が
今年も活動をスタートすると聞いて、行ってきました。
丁度「ねぶたガイド」開所式の最中で、地元マスコミの取材も入っています。
青森ねぶた祭実行委員会の伝承委員長、ねぶたガイド隊長のあいさつの後、
青森ねぶた運行団体協議会 制作委員長の千葉作龍さん(ねぶた名人)から諸注意が。
「ねぶた小屋では、私達ねぶた制作者を紹介しないで下さい。
各小屋にはそれぞれ名人がいて、プロの誇りをもって作業しています。
私達は、ガイドや見学の方がいないものとして一心不乱に仕事をしますから、
皆さんもねぶた制作者はいないものとして案内してください。」というユーモアあふれるお言葉。
開所式の後、早速ガイドさんに案内していただきました。
既に、青森ねぶた祭オフィシャルサイトで今年のねぶた原画をチェックしていた私としては、
今年初のねぶた見学にワクワクです。
ガイドの天内さんは、ねぶたガイド歴7年目。
この時期、ねぶた制作の進捗状態は小屋によって大きく異なり、骨組みと電気配線が終わったところから、紙貼り中のところ、書き割り(墨で輪郭を描くこと)、ろう書き・色付け中のところ、既に台上げを待つばかりのところまでと様々で、ねぶた制作の工程の多くを目にすることができるそうです。
この日は、ラッキーなことに複数の小屋で制作過程を見学することができました。
紙貼りの作業は、ねぶた師ではなく、多くは女性が担っています。
小屋の中は、和紙のにおいがします。
針金で作られた枠一つ一つに和紙を糊で貼っていくのですが、
のりしろが多いと、中からの光がきれいに透過しなくなってしまうので、
丁寧な作業を延々と続ける、根気のいる作業です。
ろう書きや色付けが始まっている小屋では、ロウのにおいや絵の具のにおいがします。
ろうは墨や絵の具がにじむのも防ぐ上、内部からの光を通し、ねぶたを明るく、立体感あるものにしていきます。
ねぶたの形はとても複雑なので、下に潜るようにして貼っている方もいました。
紙貼り前のねぶたでは、骨組みと内部の電球が見られます。
使用される電球は1台のねぶたに1200個から2000個。
青白い刀などには直線の蛍光灯が使われているそうですが、
他の部分も電球色の蛍光灯や電球だったり、部位や色によって変えているようです。
ねぶたガイドの皆さんは、毎日、小屋の作業状況を確認し、制作の邪魔にならないよう留意しながらも、観光客の皆さんにねぶたを楽しんで、知っていただこうとご案内しています。
実際にお話を伺いながら見学して、ねぶたの奥深さに驚かされました。
ガイドの天内さんも、毎回新しい発見や驚きがあるんですよ、とおっしゃっていました。
祭りが始まる前ならではのねぶたの魅力を知り、どんなねぶたに仕上がっていくのか楽しみになって
思わずねぶた柄のイギリストーストを買ってしまいました。
By Hana
ねぶたガイド
◆活動期間と時間
7月1日から19日まで 10時から15時
7月20日から8月6日まで 10時から16時
(いずれも12時から13時は休憩、最終受付は30分前まで)
◆活動場所
青い海公園内 ねぶたラッセランド
受付は、アスパム東横のねぶたガイド本部
◆申込み・問合せ
電話017-774-6560(ねぶたガイド本部)
◆ねぶたガイドは16名が交代で勤務し、受付時間中は、申し込みが有り次第、ご案内しています。
(所要時間20分程度。短縮可。)
◆ねぶたは紙でできているため、湿気や風は大敵ですので、雨風の強い日はガイドをお休みすることもあるそうです。
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。