佐井の街歩きで、円空仏を拝観
本州最北端の青森県は、東京から遠い分だけ、長い時間をかけて独自に進化し、脈々と受け継がれてきた魅力的なコトやモノが数多くあると思います。
そんな青森県の中でも、青森市内からさらに車で約3時間の下北半島佐井村には、北前船の文化が色濃く残る、食や伝統芸能、祭り、商家などが今でも数多く残っていて、その魅力を街歩きガイドで楽しむことができます。
今回、私にガイドをしてくれたのは、佐井村の本村に70年間ずっと住み、街の魅力を知り尽くした奥本さんです。とても明るく元気な人柄な奥本さんは、坂道や階段も軽快な足取りで進み、道ですれ違う地元の人達にも声がけを欠かしません。
今回の街歩きコースは、村の中心のアルサスをスタートし、名医だった三上剛太郎氏の生家や、本村の中心にある箭根森八幡宮、宗派の異なる3つお寺、商家跡などを経由して、円空仏のある長福寺を目指します。
長福寺は、葬式などが入っていなければ、街歩きのコースとして見学可能になっています。本道の右奥にある黄金色に輝く青森ひばのケースに入っている円空仏は、青森ひばを使った十一面観音立像で、現存する作品の中で2番目に大きいと言われています。
円空仏は、柔らかい表情と簡素化された造形が特徴ですが、長福寺の仏像は、円空30代半ばの比較的初期の作品ということもあってか、一般的にイメージする円空仏とは異なります。
この作品は、円空が弘前藩から追われて松前藩に渡り、その後、佐井村の豪商にお世話になったお礼に作ったのではないかと言われていますが、「北海道に渡った後の作品が左右対称になっていることから、北海道に渡る前の作品ではないか」と住職の奥さまは話していました。
長福寺では、今でも年に6回「お講」が開催されていて、その際に地元の人たちが集まり昔から受け継いできた料理を作っているそうで、このことからも文化や風習を継承し、守り続けているこの地域の奥深さを感じました。
長福寺には、円空仏のほかにも、幕末から明治半ばにかけて全国を旅した画人・蓑虫山人の作品や仏舎利塔などもあり、わざわざ3時間かけて行く価値のある場所です。
車で行くのはちょっと大変という方は、青森市内からポーラスターという高速船も出航していますので、ご活用ください。シィライン株式会社 http://www.sii-line.co.jp/route.html
byさっちゃん
佐井村まちあるきツアーの詳細
【実施時期】 通年。前日までに要予約
【必要人数】 お1人様から申込可能です。
【所要時間】 1時間30分~2時間(ご要望に応じます)
(徒歩半分、施設案内半分くらいです)
【集合場所】 津軽海峡文化館アルサス1階
【ガイド料】 お1人様あたり 個人 1000円、団体(10名以上) 600円
【予約方法】 電話0175-38-4515(担当:園山)
【注意事項】 歩きやすい服装でお越しください。
村内一部施設が15時閉館のため、14時半までの出発がおすすめ。
寺院の見学は、予約していても急な法要等で見学できないことがあります
佐井村観光協会HP http://saikanko.sakura.ne.jp/aoiwa/walking.html
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。