東北新幹線八戸駅から車でわずか20分の場所にあるフルーツ王国南部町。
ここには以前ご紹介した杏の「八助」、ちょうど干し柿作りが始まっている
「妙丹柿」など、希少な在来種も数多く残っています。
そして、今が旬といえば、どっしりと重量感があり、太くて甘い在来種「南部太ねぎ」。
糖度は普通のねぎの1.5倍以上です。
実は生産者はたった一人しか残っておらず、絶滅寸前でした。
唯一の生産者も町内の直売所で単なる「ねぎ」として販売していたので、
地元の人ですらその存在を知らない人が多かったそうです。
その復活に取り組んでいるのが、県立名久井農業高校の生徒たちです。
ねぎ色の手づくりTシャツも決まってます!私も欲しい!
平成24年4月に名久井農業高校に赴任してきた先生がこのネギの存在を知り、
昭和39年に品種登録した2人の生産者のお宅に電話したものの、既に栽培しておらず、
この2人から分けてもらった生産者を人づてに聞き、
「あの人なら栽培しているかも・・・」の声をたどり探し回り、
やっとたどり着いたのが佐々木さんという方1名でした。
種を分けていただいたものの、南部太ねぎは付け根の部分に土が入りやすく、
軟らかいだけに葉の途中からぐにゃりと曲がり、見た目が悪くなってしまうなど、
栽培するにもクリアしなければならない課題がありました。
その課題をクリアすべく、生徒さんたちは他の産地の調査などを行いながら、
試行錯誤を繰り返しています。
そして、地元の生産者にも呼びかけ、
今年から10名程度の農家さんが生産に取り組んでいます。
地元では、「かっけ」や「せんべい汁」など鍋料理で食されていたとのことですが、
そのまま焼いて食べるのもお勧め。
生産者の方いわく、「ねぎま」ならぬ、ねぎが主役の「とりま」もいいよ!とのこと。
太いけれど、軟らかくて繊維が残らず、ねぎ嫌いな子供でも食べれるそう。
まだまだ生産量は少なく出回る量は少ないのですが、
絶やさず守っていきたい宝物です。
by o-rin
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