青森県民にとって、欠かすことができない万能調味料「源たれ」。正式名称は「スタミナ源たれ」と言います。
今回、私の実家のすぐ近くにある製造工場を訪れ、その美味しさの秘密を探ることとしました。
製造しているのは、十和田市にある上北農産加工農業協同組合といい、もともとは藤坂綿羊組合という羊毛を生産する組合でした。
戦後、羊毛産業が衰退する中で、この綿羊組合が醤油工場を買収して、醤油の製造・販売を行うこととなり、上北農産加工農業協同組合という新しい名前になりました。
当初は醤油だけの製造でしたが、その後、地元の人がジンギスカンとして食べていた、クセのある羊の肉を美味しく食べられるようにしてほしいとの要望を受けて、1965年にジンギスカンのたれとして「スタミナ源たれ」が完成したのです。
すると、口コミでその美味しさが全国に広がり、「スタミナ源たれ」は青森県を代表する人気商品になったのです。
全国に販売を広げるとともに、古い設備の工場では生産が追いつかなくなったことから、現在は新しい工場に移って、醤油と焼き肉のたれの製造・販売を行っています。
源たれの主な原料は、地元で獲れるにんにく、りんごや、たまねぎ、しょうがなどです。
子供向けの資料にもありますが、野菜の皮むきや洗浄などは地元のおばちゃんたちが一つ一つ手作業で行っており、これをミクロカッターで細かくすりおろして特別ブレンドの醤油、砂糖などの材料と混ぜて加熱殺菌し、タンクで最低3ヶ月間寝かせて熟成させます。これを工場内のラインで瓶詰、殺菌し、1日あたり最大で3万本の源たれを製造するのです。
工場見学は現在平日のみ対応しており、事前予約が必要ですが、説明をしていただいた製造部の花田部長さんのお話しによると、組合員が地元で生産した野菜のうち、市場に出荷できない野菜を購入して付加価値を高めて販売することを目的としており、必ずしも形が良くないものでも、品質が良いものを使っていること。また、自社工場で製造している醤油についても、高いけれども地元で作っている大豆や小麦をわざわざ購入しており、品質重視でたれを製造していることもあって、販売開始から50年間経った今でも売り上げが伸び続けているとのことでした。
見学コース内には製造工程の説明やコラボ商品の展示コーナーがあるほか、工場見学限定価格の商品もあるそうです。
現在、商品のバリエーションも幅広く、源たれだけでもゴールドや塩だれ、ゆず入りなど、多彩な種類はあるほか、鍋用つゆやドレッシングなどがあります。
また、源たれを使った「源たレシピ」はとてもバラエティに富んでおり、野菜いためや冷や奴のたれはもちろんのこと、炊き込みご飯やチャーハン、スタミナ鍋のつゆ、からあげのもみダレやきゅうりの浅漬けの素にもなるなど、数え切れないほどのレシピがあります。
(ちなみに私は白いごはんに源たれをかけただけのシンプルな「源たれご飯」が大好きです。)
今年は源たれ製造50周年の記念すべき節目の年で、これを記念した商品を現在企画中とのこと。どんな商品ができあがるのか、今から楽しみです。
byオーレおじさん
(問合せ先)
上北農産加工農業協同組合
住所:青森県十和田市相坂上前川原76
電話:0176-23-3138(代表)
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