五戸の義経鍋をご存知でしょうか。
青森県南の五戸町には、兜の形をしたユニークな鍋で食べる馬肉料理があります。
源義経一行が、平泉から落ち延びる途中、武蔵坊弁慶が野鳥などを捕らえ、兜を鍋の代わりにして料理し精をつけたといわれる一説から考案されたのが「義経鍋」です。
兜の頭は水炊き用、兜のつばは鉄板用、つばの先の小皿が油だめというユニークな作りとなっています。
食べ方に決まったルールはないのですが、今回取材に協力してくれた「尾形精肉店」さんおすすめの食べ方を紹介致します。
兜のつばにまんべんなく馬の脂を敷くと、油だめに溜めまります。
この油は傷にも内臓にもやさしいいい香りがする「馬油」です。
肉や野菜を焼く時に、「馬油」をくぐらせることにより、馬肉は柔らかく、野菜はかりっとした食感に焼き上がります(揚げ焼き)。
兜の頭では野菜等を水炊きしますが、焼いた肉や野菜をより柔らかくしたい場合は、さらに水炊きすることもできます。
焼き肉も水炊きも楽しめるユニークな「五戸の義経鍋」。
最後に鉄板にのこった馬の脂がまた美味です。
牛や豚の脂の場合は、残される方も多いと思いますが、馬の脂はさっぱりして香りもよく、口に含むと溶けてなくなってしまいます。
五戸町民はこの馬の脂だけ食べる人もいるとか。
五戸町民には馬肉が大好きで、馬肉料理店だけではなく、各家庭の食卓にも普通に出されます。
馬肉精肉店はもちろん、町のスーパーでも普通に売られています。
「尾形精肉店」の馬肉は自家牧場で育てた食肉用の馬なので、比較的安価に提供されています。
取材した日も、お母さん達が夕飯の買い物で、「尾形精肉店」を訪れていました。
青森県南を訪れた方はぜひ、五戸町まで足をのばして「五戸の義経鍋」を召し上がってはいかがでしょうか。
エンターテイメント性もある楽しくおいしい料理ですよ。
なお、五戸町の馬肉の歴史は過去のブログにも記載されていますので、興味のある方はのぞいてみてください。
<尾形精肉店>
青森県三戸郡五戸町字博労町18-1
飲食/AM11:00~PM9:30(ラストオーダーPM9:00)
TEL.0178-62-3016
アドレス:http://www.banikuya-ogata.com/rest/index.html
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。