まるごと青森

うまみが凝縮?気になっていた「固定種」の味を確かめてみた!

グルメ | 2017-12-22 12:03

「伝統野菜でまちおこし」
ここ数年よく聞くフレーズですよね。

 

伝統野菜は、その地域で昔から栽培され、代々受け継がれてきた地域固有の野菜。
全国的には京都の聖護院大根や群馬の下仁田ねぎなんかが有名ですよね。もちろん青森にもあります。

 

青森の伝統野菜「筒井紅かぶ」

 

そんな伝統野菜は、その年つくった野菜から種を採り、翌年畑に捲き、そしてまた栽培して種を採るという命のサイクルを繰り返してきました。
そういう古来から性質が変わっていない種(タネ)を「固定種」と呼びます。伝統野菜も固定種からつくられている野菜です。

 

一方、現在市場に流通しているほとんどの野菜はF1種(交配種)と呼ばれる種でつくられています。
種を掛け合わせると、両親の優れた性質を引き継ぐのため、形や大きさが揃っていて、見た目もきれい。

 

成長も早く病気にも強いなど、大量生産にはうってつけの性質なのですが、優れた性質が現れるのは一代限りなんだそう。種を採っても形や大きさが揃わないので、毎年種を購入して生産する必要があります。

 

前置きが長くなりましたが、ここ1年気になって仕方なかった「固定種」をようやく調査できたので、その結果をレポートしていきます。

 

 

自然の循環に逆らわずに野菜をつくりたい

 

まずは、青森市内で固定種による野菜を栽培する「雲谷ト森山農園(もやともりやまのうえん)」さんにおじゃましました。

ここの園主さんは、5年ほど前に小笠原諸島父島からUターンした森山和也(ともや)さん。父島ではネイチャーガイドをしていたそうですが、コーヒー栽培をきっかけに農業への興味が大きくなり、東京都内で働いていた千葉県出身の奥さんとともに帰省。認定農家のもとで1年半修業し、3年前に農園をはじめたそうです。

 

園主の森山さん

 

父島で読んだ「自然農法わら一本の革命(福岡正信著)」という本に感銘を受け、先祖代々受け継がれてきた固定種にこだわり、試行錯誤しながら無農薬、無肥料での野菜づくりに取り組んでいます。

 

雲谷と横内にある合計約2haの農園で、約50品目、100品種もの野菜を栽培していて、収穫した野菜は、旬の野菜が詰まった「野菜セット」としてネット販売しているほか、青森市内の飲食店やスーパーなどへ納入しているとのこと。

 

夏場の野菜セット

 

この日は今シーズンほぼ最後となる野菜セットの発送のため、2棟のビニールハウスで栽培しているルッコラ、ビーツ、カーボロネロ(黒キャベツ)を収穫し、11月に収穫した白菜や大根、かぶなどとともに箱詰めしていました。

 

収穫した野菜を丁寧に箱詰めする森山さん夫妻

 

箱詰めされた新鮮な野菜たちは、直接お客さまに届けられます。

「作り手が直接消費者に届けることで、新しい交流が生まれる。野菜を通じて、人と人、都市と地方のつながりを深めていきたい。」

 

そんな森山さんの野菜セットは12月中旬で販売を終了しました。来年の5月頃にまた再開するそうなので、みなさん楽しみにしていてくださいね。

 

それまで待てないあなたに。
森山さんの野菜の評判はこちらでご覧いただけますので、ぜひ読んでみてください。

 

<POCKET MARCHE(ポケットマルシェ)>
https://poke-m.com/producers/519

※5月以降はこちらで購入できます。

 

料理をつうじて生産者と消費者をつなげたい

 

次におじゃましたのは、同じ青森市内で素材本来の味を楽しめるヘルシー&オシャレなランチを提供しているスマイル&スプーンさん。

 

オーナーの高谷優子(たかやゆうこ)さんは、野菜ソムリエ、製菓衛生士の資格を持ち、あおもり食命人にも任命されている食のスペシャリスト。前職はなんと家具職人で、北海道での10年間の職人生活を経て10年前にUターン。4年前にお店をオープンさせました。

 

オーナーの高谷さん

 

そんな興味深い経歴をお持ちの高谷さんですが、青森への帰省後、畑を借りてご自身で野菜をつくられていたんだそう。

 

ナスやトマト、じゃがいもなど定番の野菜のほか、海外のめずらしい野菜もつくっていたようで、なんと約100種類もの品目を栽培していたんだそう。
そんな折、農業に関するある映画を観て、野菜に対する価値観が変わったそうです。

 

「現在市場に出回っている野菜はほとんどがF1種でつくられている。もし、種子業界で大きなシェアを持っている企業が市場にF1種を供給しなくなれば、世の中から野菜がなくなって人間の生活は破たんする。つまり、種を制するものが世界を制するということ。そう思うとぞっとした。」

 

それまで種のことを考える機会はなかったそうですが、映画を観たあとは種を根絶やしさせないために、できるだけ固定種で栽培するようになったとのこと。

 

そして気づいたのが、野菜の美味しさ。「難しい話は抜きにして、固定種でつくった野菜は美味しかった。」

 

ということで、早速固定種で栽培した野菜を使ったランチをつくっていただきました。

 

高谷さんの畑で採れたジャガイモを使った「肉じゃが」

 

森山さんとこの笊石(ざるいし)かぶ(こちらも青森の伝統野菜)を使った「かぶと玉ねぎのマリネ」

 

同じく森山さんとこの赤皮栗かぼちゃを使った「かぼちゃのそぼろ煮」

 

同じく森山さんとこの大蔵大根と小豆を使った「大根と小豆のサラダ」

 

これに五穀米とせんべい汁がついた野菜たっぷりのスペシャルランチ

 

どの野菜も味に芯が通っていて、そしてなぜか味が優しい。噛みしめる度に「これが本当の野菜の味なんだ」と軽いカルチャーショックを受けつつも、とっても美味しくいただきました。

 

 

そして野菜が好きになった

 

今までほとんど野菜を食べなかったわたしですが、野菜の美味しさを知ってから、自然と野菜中心の食事に切り替わりました。

 

生の野菜の味を確かめて、どうすれば美味しくなるかを考えながら料理するのが楽しくて仕方ありません。

 

そして1週間で3キロ痩せました。

 

 

今週末は楽しい楽しいクリスマス。

クリスマスが過ぎると、また新しい年がやってきます。

 

こうやって頑張っている人たちが、今年より活躍できる一年になりますように。

 

by めぐみるく

SMILE&SPOONキッチンスタジオ
場所青森市青柳2-2-16
TEL017-773-2535
時間11:00~17:00
料金週替わりスプーンランチ 950円
カフェタイムメニュー(14:00~17:00)
 ・蒸しパン 150円
 ・有機コロンビアコーヒー 350円
 ・紅茶 350円 など
WebサイトSMILE&SPOON
その他定休日:日・月曜日

掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。

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