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大川原の火流し(燃焼)

青森のお盆 ~それぞれの迎え火・送り火~

イベント・まつり | 2018-08-17 20:44

皆さん、お盆はどのように過ごしましたか?故郷で墓参りをしたり親戚に会ったという方もいらしたのではないでしょうか?

様々な風習がある青森のお盆。今回は、迎え火・送り火に注目してみたいと思います。

まずは、私が生まれ育った弘前市の迎え火・送り火について。

全国的に8月13日を盆の入り、16日を盆の明けとする地域が多いようですが、私が住んでいた地区では8月13日から20日(二十日盆(はつかぼん))まで毎晩、家の前で、井桁に組んだ薪を焚いていました。

この風習がどれくらい広がっているのか、職場で聞いてみたところ、青森市浪岡、平川市尾上地区でも、家の前で20日まで焚くという声が聞かれました。
どうやら、津軽のご先祖様達は、比較的ゆっくりと帰っていくようです。

そして、薪への着火材は、樺(かば)の木の皮。我が家はご近所さんからいただくことが多かったですが、今は、ホームセンターなどでお盆用品として売られています。

こちらが、樺の木の皮。

樺の木の皮
少しずつちぎって使います。

ちなみに、この着火材、上北地域では、樺の木の皮ではなく、松の根が使われることが多いようです。
お盆期間中、三沢市、おいらせ町、上北町のホームセンターを覗いてみたところ、確かに「松の根」や「たいまつ」という名前で売られていました。

こちらが迎え火・送り火用の松の根(撮影地:三沢市)。三沢市では墓前で16日まで焚くそうです。

迎え火・送り火用薪
上の方に重ねてある、濃い茶色の、小ぶりな木片が松の根です。油分が多くてよく燃えるのだそう。

一方、家の行事ではなく、地域全体の伝統行事として送り火が根付いている地域もあります。
代表的なのが毎年8月16日に行われる、黒石市大川原地区の火流しです。

その起源は古く、南北朝時代、この地域に移り住んだ南朝方の落人が、戦死者の霊を慰め、故郷を偲んだことが始まりと伝えられているそう。

具体的には、稲の早・中・晩生種に見立てた3隻のカヤ舟に火をつけ、地区の中央を流れる中野川へ舟を流す行事です。

カヤ舟を引くのは、舟子(ふなこ)と呼ばれる、地域の未婚の若者18人。
舟子の確保が年々難しくなっているそうですが、今年は、都内の大学のボランティアサークルの学生達にも舟子を担ってもらったそうです。

大川原の火流し(舟子)
菅笠を被り、野良着姿になります。紺地に白の柄が映えます。
大川原の火流し(神事)
関係者全員で神事に参加。

神事を行い安全を祈願した後、いよいよ、カヤ舟の帆柱に次々に火がかけられます。

大川原の火流し(点火)
いよいよ点火です。

3メートルほどもある帆柱が、どんどん燃え上がっていきます。

大川原の火流し(燃焼)
勢いよく燃えるカヤ舟。
大川原の火流し(お囃子の子ども達)
お囃子を演奏する地域の子ども達。これは直前の練習風景です。

残念ながら、今年は、川が増水して舟を流すことができず、燃え方で米の豊凶を占うこともできませんでした。

それでも、大きな火柱や、カヤの焼ける香り、子ども達が演奏する哀調を帯びたお囃子と相まって、昔にタイムスリップしてしまったかのような気持ちになりました。

見物していた方にお話を伺ったところ、大川原地区で生まれ育った方で、域外に嫁いで60年以上経った今も、火流しを毎年見に帰って来るのだと嬉しそうに仰っていました。
実は私の祖母も黒石市出身。大川原の火流しがとてもキレイだったとよく話していました。

火流しが、地域の人の記憶に深く刻まれているのを今回、実感しました。

青森の迎え火・送り火にまつわるエトセトラ、いかがでしたでしょうか?
調べると、まだまだ私の知らない迎え火・送り火の風習がありそうな気がしました。

迎え火・送り火以外にも、法界折や、モナカのようなお盆灯ろう、背中当て、ハマナスの実の数珠、墓獅子など、お盆にまつわる青森の風習は様々あります。

また、機会があれば、紹介していきたいと思います。

byチビスケ

大川原の火流し
場所青森県黒石市大川原地区
時間毎年8月16日開催
・神事18:30~
・火流し19:00~
料金観覧無料

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