まるごと青森

心あたたまる昭和な食堂シリーズ「宝来食堂」

グルメ | 2018-12-12 23:45

令和2年11月8日、店舗に貼り紙がありました。
内容は、次の通りです。

謹啓時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
長らくお休みさせていただいておりましたが
この度閉店することといたしました。
これまで御愛顧賜りました皆様に心より感謝申し上げます。
                      宝来食堂

永きにわたり、大変お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。

〜〜〜以下、ブログ記事です。〜〜〜

いよいよ冬本番ですね。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

前回に引き続き、ホッと一息「あたたかい」、昭和が感じられる食堂をご紹介していきます。

 

【みんなが集う憩いの場】
今回ご紹介させていただくのは、八戸市廿六日町にある「宝来食堂」です。

この場所に移転して35年。「昭和」の雰囲気を感じさせる、味のある外観です。

 

店内も、古き良き食堂といった感じの空気が流れています。

 

以前、地元企業の食堂部に勤めていたという店主の板橋光子さん(76)。当時、二人の子供を育てていながら、帰宅はいつも夜8時 と多忙な日々を送っていました。見兼ねた旦那さんが「小さい店を借りて、もっと気楽にやったら?」と勧めたことがきっかけで、1970年に独立し、宝来食堂の店主となったといいます。

店主の板橋光子さん。

 

開店して間も無く、小さなお店はお客さんで溢れかえります。

さらに午後2時ころになると、常連さんが次々と集合し、真昼間から飲み始めるという素敵な光景も。

 

とても居心地がいいのでしょう。非常にアットホームな雰囲気で、常連さんのお店への愛が感じられました。

 

手が空けば板橋さんもイスに座り、お客さんとの会話に加わります。

 

【思わず目を疑うほどの安さ】

メニューも価格も昔から変わらないそうです。

 

誰もが二度見してしまうような献立表。なぜこんなにもお求めやすい価格で続けてこられたのでしょうか。

その秘密は「板橋さんの努力」と「お客さんの優しさ」にありました。

 

板橋さんは「美味しいものを安く食べてほしい」という思いから、安くていい食材を求めてスーパーをはしごしたり、何より「手づくり」にこだわります。

「自分で手づくりした方が安く済むし、その方が美味しいものができるんですよ。」と板橋さんは教えてくれました。

カウンターに並ぶ手づくり料理の数々。

 

それからもう一つ。「お客さんの優しさ」です。

お店は現在、板橋さんとお手伝いさんの2人で厨房に立っており、お客さんが多い時間帯は目の回るような忙しさです。見ていると、お客さんはみんな、食べ終わった食器をカウンターへ持っていきます。さらには、自分で食器を洗ってくれる常連のお客さんまでいるらしいのです。「正直なところ、人件費が浮くので大変助かっています。」と板橋さんは笑います。

このように、「板橋さんの努力」と「お客さんの優しさ」が合わさることで、この価格で提供できているのですね。納得です。

 

さて、お腹が空いてきたところで注文をしましょう。

献立表の中でも一番目立っている「中華そば」、人気メニューだという「カレー」、“時価”の二文字が興味を掻き立てる「定食」の3つをオーダーします。

 

看板メニューの「中華そば」200円。

朝8時から3時間かけてスープをつくり、チャーシューなども全て手づくり。スープはあっさりとしていますが、煮干しの風味もしっかりしており、とても200円とは思えないクオリティです。

 

続いてがこちら。

人気メニューの「カレー」300円。

辛いのが苦手な人でも食べられるよう辛さは控えめにしているといい、私には嬉しい限りでした。まさに家庭の味と言える一品。一般のカレー屋の大盛りくらいでしょうか。ボリューム満点で、これだけでも充分満足感があります。

 

最後にこちら。

健康にも配慮している「定食」350円。

いわゆる日替わり定食で、毎日食べても飽きないように、また栄養面にも気を使うなど、工夫しておかずを用意しています。家で食事をしているような気分になりました。これで350円はコスパが良すぎます。

 

【お客さんとの繋がり】

「今までたくさんのお客さんが来てくれて、たくさんの人に出会いました。こっちがお客さんを覚えていなくても、『来たよ』とか『元気だった?』とか声をかけてくれます。そうやって私を覚えていてくれるのが何より嬉しいし、長い間続けてきてよかったな、と感じます。小さい頃に通ってくれたお客さんが、自分の子供を連れてきてくれたりすると、この子はこの後どう成長するのかな、この子も私を覚えていてくれるかなと思って、心が温かくなります。」

「そういうお客さんがいる限り、店は続けたいですね。」と、板橋さんは晴れ晴れしい表情で語ってくれました。

 

板橋さんとお客さんの強い“繋がり”を強く感じた「宝来食堂」をご紹介しました。

いつまでもお元気で、お店を続けて欲しいと思います。

機会がありましたら、お店を覗いてみてくださいね。あたたかく迎え入れてくれると思います。

 

by パン万次郎

宝来食堂
場所青森県八戸市廿六日町40
TEL0178-43-2860
時間11:30~20:00
不定休

掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。

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