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Story4家畜と共存する暮らしぶりを訪ねる

「馬」は「人を呼ぶエンジン」だ!

「十和田乗馬倶楽部」中野渡利彦 さん

南部の馬

義経の馬も南部産!

青森県の太平洋側一体は、平安時代末期から江戸時代が終わるまでの長きにわたって南部一族が治めていたことから、南部地方と呼ばれています。
実はこの南部一族は馬の飼育に長けていた人々で、平安時代末期、源氏の武将が乗った馬の多くは奥州(南部)産だったといわれ、あの源義経が難所「鵯越」を鹿のごとく越えたときに乗っていた馬も南部の馬とされています。

「十和田乗馬倶楽部」中野渡利彦 さんと南部馬 南部馬

インフラ供給地、南部地方。

人々にとって、馬は兵力であると同時に、移動手段や農作業の動力としても活躍したインフラでした。
馬の産地として一大ブランドを築き上げた南部地方は、今でいうところの、エネルギー産業や自動車産業のメッカとして、時の為政者が必ず押さえておきたい土地だったことでしょう。
時代とともに暮らしから馬そのものは消えていきましたが、南部地方ならではの馬とともにあった暮らしぶりは今も色濃く残っています。

「十和田乗馬倶楽部」中野渡利彦 さんと南部馬

馬を観光資源に。

今では自動車が馬に取って代わってしまったけれど、そもそも、人間の長い歴史の中で馬とともにあった時間のほうが遥かに長い。
立派な自動車があっても旅行者はこの町に来ないけれど、馬がいれば人を集めることができるでしょう?
観光という分野であれば“馬の新しいポジション”を構築できるのではないかな?
そんな思いを胸にして十和田市で乗馬倶楽部を経営しているのが、十和田乗馬倶楽部の中野渡利彦会長。

1000年以上もの歴史がある南部の馬文化を「観光」という新しいポジションで次の時代に継承しています。

「十和田乗馬倶楽部」中野渡利彦 さんと南部馬

独自コンテンツが、内閣総理大臣賞。

実娘で十和田乗馬倶楽部の代表取締役を務める上村鮎子さんとともに2003年から女性限定の競技流鏑馬「桜流鏑馬(さくらやぶさめ)」の取組みをスタートさせ普及に努めてきました。
1000年以上もの間、女人禁制だった流鏑馬の世界に女性が入ることには関係者からは反発もあったようですが、徐々に理解者や賛同者が増え、今では全国各地に流鏑馬女子部の支部ができるほどに。
2016年3月には、長年の功績が認められ、「桜流鏑馬」が「第20回ふるさとイベント大賞」の最高賞である内閣総理大臣賞受賞という快挙も成し遂げています。

女性限定の競技流鏑馬「桜流鏑馬(さくらやぶさめ)」 競技流鏑馬に使われる弓と矢

十和田乗馬倶楽部の人気コンテンツは、馬にまたがって牧場の外に出るホーストレッキング。
民泊を活用した長期滞在による馬文化の体験プログラムも検討中です。

牧場を駆ける南部馬
「十和田乗馬倶楽部」中野渡利彦 さんと南部馬 十和田乗馬倶楽部

十和田乗馬倶楽部 十和田市三本木佐井幅115-2
0176-26-2945
WEBサイトはこちら

十和田乗馬倶楽部

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