…まさにりんごだらけ。10〜11月の最盛期、弘前市郊外の市場にはりんごを満載した木箱が1日で10万箱近くも集まります。 青森県のりんごの生産量は毎年平均45万トン。 全国に出回るりんごの約6割が青森県産で、全国のりんご農家の約3割が青森県に集中しています。
経済や文化はりんごを中心に回っているかのようです。
例えばりんごの木を剪定する「剪定鋏」などの道具作りは職人を生み、果実はジュースやジャム、アップルパイ、シードルなどに姿を変えて産業を盛り上げ、りんごを題材にした小説や映画など、文化方面でもりんごが活躍しています。
厳しい気候と風土ゆえ、飢饉とは常に背中合わせ。食べつなぐために編み出された知恵や、生きるための執念が、郷土料理には凝縮しています。
冬場は厳しい寒さが続き、農産物がほぼとれません。そのため春から秋にかけて収穫した野菜や山菜を、漬物にして発酵させたり、高濃度の塩に漬けたり、乾燥させたりと、保存して食べつなぐ知恵を、人々は連綿と受け継いできました。
冬が長く、ときに厳しさをも見せ、使える材料はとっても限定的。青森県の工芸は、独特な気候風土がもたらす諸条件に影響を受けて発達してきたのかもしれません。
例えば、ものを大切にしてとことん使い切る精神性。あるいは、限られた材料を駆使して耐久性と保温性を獲得するという庶民の知恵。
今まで捨てられていたものや、古くなったものを材料として使わざるを得ないという「限定から生まれた工芸」もあります。今まで捨てられてきたものに“材料”という役割を与えて新しく生まれつつある工芸もあります。
庶民が暮らしの中で編み出して、日々使いながら、今に残されてきたものが多いのも特徴です。そんな美しく機能的な道具を生み出すテマヒマの世界を、ちょっと覗いてみませんか。
視界を埋め尽くすほど広大な芝生の絨毯の向こうで、太平洋の海原が青く輝く…。種差海岸のこの風景は、訪れた人に何らかの感想を述べさせしめるようで、数々の文筆家が著作の中でこの絶景について言及しています。
古くから名馬の産地だった南部地方では、海岸部でも馬の放牧が行われ、馬が踏みしめ草を食むことで草原が維持されていたともいわれています。家畜と人間が共存しているからこそ、美しい風景が残り、産業や文化も発展してきたといえます。
なんとラッキーなことでしょう。
青森県には海が4つもあるのです。向かって東に太平洋、西に日本海、北には津軽海峡が横たわり、陸奥湾を抱え込んでいます。そして、生息する魚介類はそれぞれの海ごとに異なるので、青森県の食卓には本当に多種多様な海の幸が並びます。
ヒラメやマグロ、世界で唯一(!?)生きたまま水揚げされる鮟鱇。4つの海の恵みは生活を豊かにし、産業や人々のつながりを生み出しています。
「弘前シードル工房kimori」髙橋哲史さん
津軽あかつきの会
貝守やまゆり会
「ヒバのカゴ」柴田円治 さん
「十和田乗馬倶楽部」中野渡利彦 さん
白神産地が育む漁師の営み