縄文文化が放つ創造のエネルギー
いよいよ来年(06年)7月に「青森県立美術館」が開館します。
着想から13年の歳月をかけたこの美術館の設計者は、ルイ・ヴィトン表参道ビルなどを手がけたいま最も注目される気鋭の建築家=青木淳氏。
三内丸山遺跡という日本史を革新した歴史的な縄文遺跡に近接するこの美術館は、彼の手により縄文の創造のエネルギーを源泉にしたあらたな芸術の創造の場となります。
※下写真左2枚目は美術館の模型写真(撮影:中川敦玲)
美術館の建物は、隣接する三内丸山遺跡の発掘現場をイメージし、土系素材の仕上げ床と壁を持つ壕(トレンチ)と呼ばれる上向きの凸凹で構成され、上部から下向きになった凸凹の形状を持った構造体が覆うことで、その隙間に展示空間が出現するという、大胆な構造になっています。
マルク・シャガールのバレエ「アレコ」の舞台背景画が地下の吹き抜けの大ホールに常設展示され、青森県出身の板画家「棟方志功」の多彩なコレクションが所蔵され、そしてにらみつけた女の子を描いたタブローなどで一躍人気を高めた若手アーティスト「奈良美智」の充実したコレクションと青木淳氏とのコラボレーションが実現したコミッションワークが予定されるなど開館の楽しみが満載です。
開館までの間には、太宰治の小説「津軽」をテーマに、竣工後まだ美術品の入っていない美術館をフルに使った県民参加劇が、美術館舞台芸術総監督 長谷川孝治氏によるプロデュースにより上演されるなど、会館前プログラムが目白押しです。
縄文遺跡 三内丸山と美術館。そしてAOMORIというスピリチュアルな空気。
「創造」という言葉でくくってしまうには、物足りない共通点がこの中にあるような気がします。
開館が楽しみなこの美術館。まるごとブログでまた情報提供したいな、と思っています。 by なおき
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