くら屋の「焼酎菓子」
八戸市朔日町の「くら屋菓子店」は大正9年創業の老舗。二代目はやさしいおじいちゃんですが、まだまだ現役です。
くら屋さんが作る菓子は、初代の製法をそのままに、餡をこね、きな粉を伸ばす昔ながらの手作りで一つ一つを大切にこしらえています。
「くら屋」といえば、「焼酎菓子」。(250円)
もともとは夏菓子でしたが、顧客から季節以外にも注文があり、一年中店頭においてあります。紅白がめでたく、そして眩しい、食べるのがもったいないような菓子です。
いわゆるボンボン菓子です。
砂糖で作られた薄い皮の中に実は、35度の焼酎が入っています。
口の中へほおばり、パリっと噛んで割ると、口の中でじゅわ~っと焼酎が弾け、皮に使われている砂糖の上品な甘みとが一緒になるという、何とも風雅な駄菓子です。
ウィスキーボンボンに似た驚きとコラボレーションが楽しめます。
この他、店内で切らせられないのが、「うさぎ玉」。
あんときな粉を何度も練り、玉状に仕上げたあと、水飴でお化粧を施すものです。手仕事が素朴なおいしさを生み、人気です。
最後は「人形焼き」。
「人形焼き」自体はどこにでもあるものですが、こちらの人形焼きは古くか
らの製法を頑なに守り、今でも黒砂糖をふんだんに使って丁寧に造り上げています。
小さな老舗の地元に愛されるオンリーワン。
型に砂糖を流し、堅め、焼酎を入れ、ふたとなる砂糖を張る。
少しの隙間があっても商品にならない。
作るのにとても手間のかかるもので、今では作り手も少なくなった稀少な菓子です。
こんな手仕事が残る八戸。
とっても奥の深さがあります。
byなおき
「くら屋」 | |
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場所 | 八戸市朔日町15-5 |
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