更上閣の「お庭えんぶり」
かがり火揺らめく凛とした空気の中、烏帽子をかぶった太夫が一心不乱に「摺る」
地元で”彼岸じゃらく”と呼ばれるぬれ雪が降り始める頃、街には笛や太鼓のお囃子にあわせて「シャンシャン」というジャンギの音が響き渡ります。
八戸地方の代表的な伝統芸能「えんぶり」は長く厳しい冬が終わり、春の訪れを告げる祭りです。
「えんぶり」は豊作祈願の舞。
800年有余、農家を門付けして回っていたものです。
また、かつては「だんな様」と呼ばれる地主や商人の土間や座敷において、「えんぶり」を芸として披露することもありました。
昨年度、この大商家でえんぶりを披露する形態が何十年ぶり「お庭えんぶり」という新たな名称で復活し、八戸市有形文化財「更上閣(こうじょうかく)」において再現されました。
彼岸じゃらくの夜、文化財の建物の中から庭園を眺め、息が真っ白になるほど凛と張りつめた空気に包まれつつ、あったか~いせんべい汁などの郷土料理をフーフーいって食べ、そんな最高の雰囲気の中、えんぶりの勇壮な舞を鑑賞する、そんな贅沢なひとときを今冬の2月、また楽しめます。
【お庭えんぶり】の情報!
期間:18年2月17日(金)~22日(水)
場所:更上閣(八戸市本徒士町5-4)
公演:どうさいえんぶり・ながえんぶり
時間:①1800~1900
②2000~2100
観覧:観光協会で予約
(1月11日から受付開始)
電話:0178-41-1661
※昨年は早々と予約でいっぱい
になったようです。
料金:1,000円
今冬の県観光情報誌「北彩紀行」の表紙を飾った「舞」。
必見ですよ。 なおき
ちなみに・・「更上閣」とは
明治・大正・昭和初期にかけて、呉服商、しょうゆの製造・販売業や繊維工業及び泉山銀行を設立し、その経営等で財を成し、東北を代表する財閥となった八戸の泉山氏の邸宅として建設されたもの。
数寄屋風の木造一部二階建て、明治期の基本的な純和風建築です。
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