最果ての岬に自然放牧される29頭の馬たち
昨日は下北半島「尻屋崎」に行ってきました。
道中、だんだん天気が怪しくなってきて、今日はすごい「寒立馬」の写真が撮れるんじゃないかな、と期待に胸膨らませ、道をドンドン進んでいきましたが・・・、
尻屋崎は、太平洋側。
ピーカンの真っ青な青空に先日降った雪が眩しく輝いていました。
寒立馬は、風が弱い場所に固まってエサをはんだり、じっとしたりしていました。
寒立馬(かんだちめ)は、尻屋崎の広い草地に、周年放牧されている「野放し馬」と呼ばれる比較的小柄な馬で、雪に埋もれた草地の上で、厳寒にじっと耐える姿が人々をぐぐっと惹きつけ、多くの方々がここを訪れています。
もともと東通村の海岸地帯には、比較的小柄で寒さと粗食に耐え、そして持久力に富む馬が周年放牧されていました。
この馬は、南部馬を祖として、藩政時代から昭和にかけて軍用馬として外来種馬との交配によって改良されてきた「田名部馬」なのだそうです。
「寒立馬」の名の由来は、昭和45年に尻屋小中学校の校長先生が詠んだ短歌に由来すると言われています。
この「寒立」という言葉は、カモシカが厳冬の中、何日もじっとたたずむ姿を地元のマタギの間で、「カモシカの寒立」と呼び、尻屋の馬にもそうした雄志が感じられたことから「寒立馬」と詠んだのだそうです。
厳寒の雪原に立ち、強風に耐え、誰よりも先に春を待っているような姿は、見る人を感動させます。
本州の最果てのこの地で、わずかなえさをはみながらも、力強く立ちつくす姿は、命の尊さと自然の畏怖を感じさせずにはいられません。
冬は越冬放牧地「アカタ」地区に移り、草をはんでいます。
4月からは、尻屋の灯台の下、青い海・青い空と白い灯台に放牧された馬の光景になります。 byなおき
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