南部地方のもてなし料理 そばかっけ
義人からバトンを受け、本日はそばかっけのお話をひとつ。
昨年、ある取材で南部町名川のそばの里「けやぐ」をご紹介しました。
数日後、無事取材が終わったとお電話を頂戴し、「取材はいかがでしたか?」と伺ったところ、いろいろと県内を取材したが、2泊3日の行程の最後にいった「けやぐ」のそばかっけが印象的だった、というお話。
どうやら帰りの新幹線でそのライターさんとカメラマンさんはそばかっけの話を延々していたらしく、相当に盛り上がった様子でした。
聞けばそのカメラマンさんは既に日本中を何周かしたほどのベテランの鉄道写真家で、その土地土地で何かおいしいもの・・、と訪ねるとよく「そば」と言われることから、日本中のそばを食べてきた強者でもあったようでした。
そんな方を喜ばせた! というので改めてそばかっけを見直した、何ともうれしい電話でした。
そばかっけは「噛むそば」です。
噛むほどにそばの香気が広がり、口いっぱいにほおばることで甘さやうまさを存分に楽しめる。
けやぐでは11月~3月までの間、そばかっけはダシを引いた鉄鍋で出されます。
打ち立ちのそばかっけをしゃぶしゃぶで食べられるんです。
かっけを一枚、湯の中に放り込むと、腰を振りながら鍋底に沈んでいきます。
すると・・、ふわ~っと浮かんでくる。このタイミングが「アルデンテ」です。
どのゆで加減が自分の好みかと、5枚、6枚と試しているうちにどんどん箸が進んでいきます。
好みのゆで加減に仕上がったら、つけだれの「にんにく味噌」でいただきます。
甘く味噌を伸ばしたタレの味噌にすりおろしのにんにくを入れたものです。
「けやぐ」では、お昼からにんにくは・・というお客様のために、ねぎを入れた「ねぎ味噌」の用意しています。
けやぐを運営する会の代表の高橋さんの家庭でも、そばかっけは週1回は食卓に並ぶ常連メニューです。
こちらでも「にんにく味噌」でいただくのが基本だそうですが、高橋さん自身は大根のおろしの汁でにんにくなしのこの味噌を溶かしていただくのだそうです。
消化のいいおろし汁のおかげで何枚でも食べられるのだそうです。また、高橋さんのおこさんは大根おろし全部を味噌に混ぜていただくとの事。
地域に生きている家庭料理だけあって、家の数だけレシピがあります。
けやぐの「そばかっけ」は、一人分で約30枚のかっけが並びます。
1枚ずつおだしに放り込みながら、お気に入り食感と、口の中で広がるそばの香気をお試しください。
けやぐでは、家庭の味「そばかっけ」を町一番の熟練のお母さん達の手によりお出ししています。
※シャモロックでおだしを取ったあったかい「そば」ももちろん人気ですよ。 byなおき
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。