青森県三戸地方で「ジョミ」、「ゾミ」などと呼ばれる実があります。
正確には「ガマズミ」というスイカズラ科ガマズミ属の落葉低木で、晩秋、山の実がなくなった頃、たわわに実った直径5~6㎜の小さな実は燃えるような紅色に染まります。
もともと全国の山野に広く自生しているものですが、この地方ではその昔、疲労回復の妙薬としてマタギたちに重宝されていたそうです。獲物を求めて一日中歩き回るマタギたちが、山中でガマズミを見つけると、山の神からの授かり物として大切にし、すりつぶして口にしたのだとか。ガマズミという名は「神ツ実」という「神の実」に由来するとも伝えられています。
マタギたちが山から持ち帰ったガマズミは、畑の端に植えられ、染料に用いたり、農作業の合間に食べたりしたようですが、山ブドウと異なり、実が小さくて扱いづらいことや酸味がきついこと、そしてマタギそのものがいなくなってしまったことなどから、いつしか利用されなくなってしまいました。
地元の人からも忘れ去られていたガマズミですが、昔の言い伝えを思い出した人たちがガマズミ果汁を飲み続けたところ、生活習慣病などの症状が軽くなったという事例が多数報告されるようになり、再びガマズミの言い伝えが注目されるようになりました。今では、三戸町を中心とした山間地にガマズミ栽培が広がっています。
ガマズミ果汁の特徴は、私が一口で言うと「とても酸っぱい」ことなのですが、かなり食通の知人たちに言わせると「ワインのような渋み」があり「とてもおいしい」のだそうです。高級なノーアルコールワインだ!とまで言い切っています。実際、この食通の方々は、ガマズミ果汁を箱単位で取り寄せるヘビーユーザーになってしまいました。かなり本気です。
ガマズミ果汁は毎日少しずつ飲むのが良いようです。一日の目安は25ミリリットル。朝食前に飲むことで、食欲が刺激される一方、活性酸素のはたらきが抑えられると言います。県内には数種類のガマズミ商品がありますのでいろいろ試してみてはいかがでしょうか。 by 義人
※ガマズミ果汁は「青い森BLOG」の1207blueさんも紹介していますのでご覧ください。
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