市場に出始めました。「陸奥湾の毛ガニ」
青森で「陸奥湾の毛ガニ」とか「湾内の毛ガニ」などと呼ばれているこの「トゲクリガニ」は、いわゆる「毛ガニ」と同様、クリガニ科の仲間です。
北海道が主産地の毛ガニは正式にはオオクリガニといい、このカニはトゲクリガニと呼ばれ東北地方の太平洋側に広く分布しています。
ですが、陸奥湾ほど多く取れる海域はない、と言われており、陸奥湾はトゲクリガニの主産地(H14水揚数量:51トン)となっています。
トゲクリガニは、陸奥湾のほたて養殖のために海中に吊す採苗器にたくさんの稚ガニが入るほど陸奥湾に生息しています。
大きさは、県水産試験場によると、1才で甲長(頭からお尻までの甲羅の大きさ)が5センチとなり、年1回の脱皮を繰り返し、2才になると雄で7センチ、雌で6センチ、3才になると雄で9.4センチ、雌で7センチに成長します。
平成12年から、資源管理のため、陸奥湾全域で雄で7センチ、雌で6センチ未満の個体は放流することとしていますので、大きめのものが手にはいるようになったのだそうです。
青森のお花見の隠れた「主役」です。
毛ガニに比べ、型は小さいものの、堅い殻の中にある蟹味噌は風味満点。
磯の風味が加わった濃厚な蟹味噌で、お花見の宴会客がこのカニを食べ始めると宴会がとたんに静かになってしまうのは地元ではあたりまえのこと。
このカニを出すタイミングが幹事の腕の善し悪しだったりします。
最初からカニが並んでしまうと、乾杯のあと、とたんに宴会は無口になってしまうからです。
「飲むはずのビールをすっかり忘れ、ビールがぬるくなってしまうほど」のうまさです。
この「トゲクリガニ」は、、青森のお花見には欠かせないほど人気のある食材です。まさに「もう一つの主役」です。
トゲクリガニは、春先から味が乗り、5月に旬を迎えます。青森の市場の店頭に並び始めるとみちのくの遅い春を告げてくれます。
気になるお値段は、時期のもので変動はありますが、蟹味噌と内子がおいしい雌で、大きいもので500円程度、中で400円程度、卵を持たない雄は雌の半額程度と非常にお求めやすい価格です。
「陸奥湾の毛ガニ」を一人2~3個持って、桜咲き誇るお花見に出かけましょう。 byなおき
→この幅広の「ふんどし」がメスです。
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