青森県南部地方ほどせんべいを有り難がる地域は他にはありません。
せんべい汁なんかは、津軽に生まれた私にとって、
ありがちな郷土料理の一つと感じてしまいますが、
南部に生まれた同僚(義人)にとっては、
今でも鍋物に投入する炭水化物として現役であることに
いつも驚かされています。
そんな南部の人にとってはせんべいの”みみ”もとても大事なものので、
おやつやちょっとお腹が空いたときの食糧として、
せんべいの”みみ”は南部の食文化に根付いています。
子どもの頃、せんべいの”みみ”の部分だけを先に食べたりはしていましたが、
せんべいの”みみ”だけが商品として成立していることを知ったときは
正直驚いた記憶があります。
一口にせんべいの”みみ”と言っても、
せんべいに色んな種類があるように、
せんべいの”みみ”にも色んな種類があって、
堅いモノや柔らかいモノ、長いモノや短いモノなどさまざまです。
あるお店のせんべいの耳は「3年待ち」というからその人気の高さに驚きです。
青い森鉄道諏訪の平駅の近くの国道4号線沿いに、
小さなせんべい屋の看板を見かけたので、
ふらっと立ち寄りお話を聞いてみたことがあります。
そこが「戸室せんべい店」です。
奥さんと二人、手作りでせんべいを焼いているそうで、
とてもとても地味なお仕事ですが、
色んな人に親しまれているせんべい店です。
ここでもやはり人気なのはせんべい”みみ”。
柔らかいタイプのものではここのが一番と言う人も少なくありません。
せんべいそのものよりも人気があるのがちょっと困ると
親父さんが苦笑いしたのが印象的でした。
同僚(義人)もここのせんべいの”みみ”のファンの一人。
南部町の方に出張で出かけるとこれを買ってきては、
机の上に袋をおいて食べています。
大抵1日か2日で完食しています。
せんべいをここまで愛している南部の人って面白いですよね。
By YOSHIHITO
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