堅牢な明治の建物にある素敵な喫茶
「西洋茶寮 Salon de 甚兵衛」
先日取材に同行して弘前市立百石町展示館を訪ねました。
こちらは、明治の時代に弘前市の中心地にあった呉服店の店舗として新築したのが始めの姿です。その数年前に約千戸を焼き尽くしたという希有の大惨事「弘前大火」から、「燃えない建物を」と、堅牢な「土蔵造り」で建てたのでした。
大正に入り、この堅牢さもあって津軽銀行が買い受けます。
銀行の本店として営業し、その後合併した青森銀行では百石町支店となり、昭和を乗り切りました。その後、平成13年4月に青森銀行から弘前市へ寄贈されます。
そして、今の展示館という形で生まれ変わりました。
展示館には、美術展示などの文化活動の発表の場として活用されている他、市民が集える場、憩える場に・・、ということで、喫茶コーナー「西洋茶寮salon de 甚兵衛」が入っています。
甚兵衛・・、とにかく評判の高いのは、「特撰牛ハヤシライス」(1155円)。
訪ねた日は男女問わずたくさん注文していました。
5日間かけてじっくりと作られたデミグラスソースをベースにしていると伺い、さっそくに食べてみると、口の中に広がるうまみと甘味と酸味!
手間がちゃんとおいしさになっていた至極の一品でした。
そしてもう一品は、「ブルターニュ風クレープ」(840円~945円)
津軽産そば粉を使用した塩味のクレープです。
店内で作られた焼きたてのクレープに生ハムやチーズ、陸奥湾産ほたてなどお好みのトッピングでいただきます。
デザートとは呼ばせない。
香ばしくて、おいしくて、・・・もう立派な食事ですよ!
写真にあるのは「木村秋則さんの自然農法栽培りんごのアップルパイ」(340円)。
ざっくりたっぷりのおいしいりんごが入ったパイです。
「甚兵衛」とは、明治にこの建物を造った「角三」呉服店の主 宮本甚兵衛の名前からいただいたのだとか。
物持ちのいい街「弘前」。物持ちがいいだけでなく、そこでの過ごし方もいい街です。
文化財で過ごすアフタヌーンは、弘前を「いいところだなぁ~」ってあらためて感じさせてくれました。 byなおき
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。