八戸の街中から湊町に向かい、
新居田川に差し掛かる少し手前に、
この街には珍しい洋式の建築物を見つけることができます。
そして、街並みとは異質な洋風の建物の玄関には、
建物とは異質な「ひまわり食堂」の暖簾が掲げられています。
この建物は八戸でも最も古いといわれている洋風建築で、
大正時代に八戸商業銀行小中野支店として建てられたものです。
八戸商業銀行は昭和初期の世界恐慌のあおりで休業となり、
戦後は旭商会の事務所として長く使われてきましたが、
現在は「ひまわり食堂」として使用されています。
国指定登録有形文化財にもなり、
街のシンボルとして大切にされています。
ひまわり食堂を経営する前森さんは、
昭和30年代からこのあたりで食堂を営んでいますが、
区画整理で店舗を移転しなければならなくなった時、
この建物が貸し出されたのを借り受け、
ひまわり食堂として営業するようになりました。
もともと事務室だったと場所を、
すこーし強引に改造して作られた店内は、
昔の食堂の雰囲気があるのですが、
元の事務室の名残も強く、
懐かしいような、不自然なような、不思議な感じがします。
何を食べようかとメニューに目を向けると、
チキンライスの文字が目に入ってきました。
店のおばちゃんに何が人気があるのか尋ねるとラーメンとの答え。
しかし、この店の雰囲気がそうさせたのか、
悩んだあげくに注文したのはチキンライスでした。
出てきたのは、まさにチキンライス。
食べてみても、まさにチキンライス。
それ以上でも、それ以下でもない、まさにチキンライスは、
懐かしくて、優しくて、美味しくて、
ちょっと感動的でした。
チキンライスを食べたい時にはお勧めです。
(他のものもきっと美味しいと思います!)
by YOSHIHITO
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。