弘南鉄道大鰐駅を降り、線路沿いに温泉街に行く途中、
朝日屋の屋号が目立つ日景食堂があります。
日景食堂の創業は明治まで遡ります。
当時、馬喰をしていた初代・佐々木治助さん、
馬を求めての旅生活に終止符を打ち定住することを考え、
売り出されていた建物を買い取り、この店を始めたそうです。
お寺さんから「朝日屋」という屋号をもらい、
自身のもともとの名字から店名を「日景食堂」と名付けています。
このお店では昔から店にあるケヤキの一枚板で作られたテーブルも
現役として活躍しています。
テーブルの高さこそ今と同じですが、
イスがとても低めに作られており、
胴長の昔の日本人体型に合わせたテーブルセットであることが伺えます。
そしてそこが、常連のお客様であれば必ず座る特等席だったりするようです。
代表するメニューはやはり中華そば。
脇野沢産と平舘産という青森の焼き干しの二代ブランドをブレンドし、
これに日高の根昆布など厳選された素材を加えダシとし、
ダシ壷という昔から伝わる壷を使って保温し使用しています。
ダシを小皿にとり味見をすると、
焼き干しの豊かな味わいを中心に
濃厚で複雑な味わいを感じることができるなかなかのもの。
醤油は地元で味噌・醤油を醸造しているマルシチのものを使っており、
地元の素材にこだわっています。
ここの中華そばの最大の特徴は、
出来上がると御主人がなぜかコショウかけてきてくれるところ。
「なぜ?」と聞くと、かけ過ぎる人がいるので、
ちょうどいい量ををかけてあげているんだそうです(笑)。
by YOSHIHITO
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