平川市(旧尾上)にある大十食堂は偉大です。
今は離れて住んでいても、たまに帰った時は、
この店の焼きそばだけは必ず食べなければいけない、
そんな話をよく聞きます。
大十食堂は、明治の初頭に西谷重助さんが
当時の尾上の中心街の十字路にあった馬車停車場付近に、
そば・うどんの店を開いたのが始まりなんだそうです。
「大十」の名前はは、尾上町の西谷姓の人が商売を始めるときに
屋号に「大」の字を用いていたことと、
重助の名と十字路をかけて「十」の字をつけて名付けられました。
以来、およそ120年という信じられないほど長きにわたり、
大衆食堂として住民に親しまれてきました。
すごいことです。
大十食堂の人気の秘密はやはり味にあります。
ラーメンは、焼き干しの風味がしっかりしている豚骨スープ。
今店を切り盛りする四代目の西谷豊さんが
遺言で絶対に手を抜かないように言われ、以来守り続けているもので、
自家製の縮れ麺とよく絡み、あっという間にスープまで飲み干してしまう美味しさ。
毎朝行っている製麺も、その日の気候・湿度を感じながら、
丁寧に微調整を加えて行っています。
誰もが口を揃えて懐かしむ焼きそばは、
自家製ブレンドのソースとの相性がよく、
ふんわりした食感が意表をつく美味しさです。
四代目・豊氏いわく、
麺は自家製、
豚骨はしっかりと割って随の旨さを出している。
焼きそばの油は必ずラードを使う。
全部代々受け継がれてきたことで、
それを大事にしているだけのこと。
なんだそうです。
大衆食堂が120年も続くことは至難の業です。
それを実現している大十食堂にはそれだけの魅力あります。
大十食堂は偉大です。
※まるごとブログの3人の知り合いのSHUさんとBONさん(どちらも東京の方です)が、
「百年食堂研究所」というブログを立ち上げています。
ちょっと切り口が面白いので、興味がある方は見てみてください。
http://hyakushoku.exblog.jp/
by YOSHIHITO
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