青森で「さくらんぼ」と言えば、真っ先に思い浮かべるのが旧名川町(現南部町)。青森の約半分を占める名産地で、赤いぷりぷりの実がたわわに実る6月中旬から7月中旬にかけて、約60カ所の観光さくらんぼ園には県内外からたくさんの人々が押し寄せます。
名川のさくらんぼの歴史は古く、百年以上も前にさかのぼると言います。
明治初期、青森県にりんごが導入された際、園地の防風林として植えられたのが始まりだとか。以来、りんご園の片隅で小規模に栽培されてきましたが、山形の佐藤錦が出回り始めた1975年頃からさくらんぼ人気が高まり、品種もそれまでのナポレオンや北光から佐藤錦主体に変わり、今では名産地として注目されるようになりました。
さくらんぼの王様と呼ばれる「佐藤錦」は、昼夜の温度差が大きく、しかも気温が低く日差しが強い天候を好みます。名久井岳へと続く高原性の気候、馬淵川がもたらした肥沃な土壌、ヤマセが入りにくい恵まれた地形、ここら一帯はその条件にぴったりなのです。
そして、もっとうれしいのは、長い歴史に培われた高度な栽培テクニック。平均15~16度と言われる「佐藤錦」の糖度を20度以上まで引き上げてしまう果樹園があちこちにあります。(中には、30度に達する驚異の「佐藤錦」もあるとか!)
今年の「名川さくらんぼ狩り」は6月24日(土)~7月23日(日)。
気になる作柄は平年並みかそれ以上で、開幕までには「ジャボレー」、「香夏錦」、「紅さやか」といった早生品種が収穫時期となるほか、今月末には主力の佐藤錦も収穫期を迎えるようです。
また、主な週末には恒例の「種とばし大会(7月1日)」など多彩なイベントが用意されていますので、今年の夏は、ご家族や仲間と一緒にぜひ名川へ!(そうそう、お隣の南郷にもおいしいさくらんぼ園がたくさんありますよ。) by 義人
睡眠障害にさくらんぼ?
最近注目されているのは、さくらんぼ果実に「メラトニン」が発見されたことです。
メラトニンは、脳の松果体でつくられる睡眠サイクルをコントロールする神経ホルモンの一種で、規則正しく、暗いところで睡眠をとっていればメラトニンの分泌量は増し、不規則な睡眠はその分泌量を減少させます。
さくらんぼのメラトニンは、睡眠を促し、時差ボケをやわらげ、しかも睡眠薬のような危険性や副作用がないのだそうです。
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