いよいよ「うめ」が出回る時期になりました。
青森県南部地方で生産される梅の多くが、実は”うめ”と呼ばれる”あんず”であることは一度紹介しました。今回は、青森で昔からつくられている”うめ”「豊後」を紹介します。
梅は中国西南部の山岳地帯が原産で、日本には弥生時代に渡来したと伝えられています。果実の大きさによって小梅(10g以下)、中梅(10~25g)、大梅(25g以上)に分類され、小梅は「竜峡小梅」や「甲州小梅」、中梅は「稲積」や「小粒南高」、大梅は「南高」や「白加賀」などがよく知られています。
梅は温暖な気候を好む植物。和歌山や群馬、山梨などのほか九州、四国が主な産地です。なのに、どうして青森で?実は「豊後」は、冷涼な気候を好む”あんず”との自然交雑実生なので、”うめ”の中では最も耐寒性が強いのです。
昔から実生で栽培されてきた”うめ”には地方品種がたくさんあります。「豊後」もそのひとつ。品種自体は大分原産とのことですが、南部地方でずーっと昔から栽培されてきた青森の「豊後」は、おそらく、あの八助の血を引いた青森独特の品種なのではないでしょうか。
青森の「豊後」は、淡い黄緑色の果実は40~50gと大粒で、縫合線が深くしっかりしていて美しいため、梅酒や梅漬けなどによく用いられます。
今年の出荷は6月末頃から始まるだろうと、名川チェリーセンターの方が教えてくれました。by 義人
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。