メロンという名の語源はギリシャ語。その意味は「りんごのようなウリ」だそうです。
だからというわけではありませんが、青森は実はメロンの名産地。出荷量は全国第6位、品質は夏場にとれるメロンとしては日本一!と評価されることもあります。
県内最大の名産地はつがる市(旧木造町)。屏風山と呼ばれる砂丘地帯を有するつがる市には、作付面積のなんと7割以上が集中しています。
つがるのメロンがおいしい理由はいくつかあります。ひとつは水はけが良い砂丘地帯で栽培されていること。水はけの良い土は肥料分も流失しやすいのですが、生育期後半に土の中の養分が少なくなることによって、メロンはよりおいしくなります。次の世代を残そうと体中の養分を果実にぎゅーっと集中させるからです。栽培管理はとても大変ですが、この土地条件こそが、おいしいメロンを作り上げてくれるのです。
次に昼夜の寒暖差が大きいこと。理屈は簡単。夜間の気温が低いと、呼吸作用が抑えられるため、光合成によって蓄えた養分の損失が少ないからです。ヤマセの影響が小さく寒暖差が大きいこの地域は、メロン栽培にはとっても適した地域といえるでしょう。
自然の力と並んで大切なのは人の力。確かにここの作り手達はただならぬ手間をかけています。名人によると、栽培管理がちょっとでも後手に回れば、その後いくらがんばってもよいメロンにはならないのだとか。このことをよーく知っている生産者たちはその手間を惜しみません。恵まれた地の利を生かす栽培管理技術は40年以上続く歴史の中で培われた財産でもあります。
最も作付けが多い品種は「タカミ」。果肉が緻密で、真夏でも食べやすいさわやかな甘味が特徴ですが、本格的に出回るのはこれから先。
今は、特有の香りと濃厚な甘さ(糖度18度前後)、やわらかい果肉がおいしい「ユウカ」が旬となっています。「ユウカ」は青森以外ではあまりつくられていない品種。県外に出荷されることも少ないので、まず地元にいなければ食べられません。店頭には「アムさん」という商品名(登録商標)で並んでいますので、是非一度味わってみてください。今だけですよ。 by 義人
※「アムさん」は弘果弘前中央青果(株)の登録商標。ハウス栽培など一定条件で栽培したユウカを「アムさん」として販売しています。記事中のメロンの写真はともに「アムさん」です。
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