青森の夏のおいしい果実として”つがるのメロン”を一度紹介しましたが、
メロン(すいか)産地を走る”メロン・すいか街道”で、
懐かしい夏の果実「マガ(マグヮ)※」を見つけたので紹介します。
「マガ(マグヮ)」とは方言名で、正しくは「マクワウリ」のこと。
親戚に当たるいろいろなメロンに混じってひっそりと並んでいました。
※地元の人はご存じだと思いますがアクセントは語尾ですよ。
メロンはそもそも北アフリカ原産。中央アジアで品種分化が進み、伝播した地域ごとに東アジア型、中央アジア型、小アジア型、そしてヨーロッパ型に分類されるようです。
マクワウリは中国原産の東アジア型メロン。日本へは早くから渡来し、縄文時代晩期から栽培されていたと言います。古くは、ウリといえば”マクワウリ”のことを指し、庶民の夏の果物として全国各地で栽培され、「銀マクワ」、「金マクワ」、「甘露」など、地域ごとに独特の品種も存在したようですよ。
しかし、現在は産地といえる産地はなく、一部の生産者が畑の片隅で自家用などに栽培する程度です。マクワウリと西洋メロンから誕生したプリンスメロンに圧倒され、さらにハウスメロンが普及するにつつれ、壊滅状態となってしまったためです。
メロン街道で見つけたマガ(マグヮ)は、形は俵型のような円筒形、重さは500グラムくらい、果皮の色は黄色と緑、縦に走る溝と複雑な斑紋がなぜか郷愁を誘うようでした。
割ってみると果肉は濃い緑色。食べられる部分は多くありませんが、控えめな甘味と香気は、西洋メロンの濃い甘味に慣れた今は逆に新鮮で、むしろサッパリとしてさわやか。”懐かしさ”という隠し味まで効いています。
生産量が限られているため、スーパーで見かけることはまずありませんが、メロン街道の直売所や各地の産直施設、朝市ではたまにですが今でも手に入るようです。青森市中三デパート前の朝市にも、八戸湊の朝市にもありました。
さわやかなマガ(マグヮ)の旬はもうすぐ終わり。急いで急いで。by 義人
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