津軽半島の日本海側に屏風山(びょうぶさん)と呼ばれる砂丘地帯があります。津軽平野から見ると、松林が立ち並ぶ砂丘がまるで屏風を巡らせたようだとその名がつけれました。
この一帯には、遮光器土偶で有名な縄文時代後・晩期の「亀ヶ岡遺跡」、約2万5千年前の「世界最大規模の埋没林」、季節ごとにきれいな花々が咲き誇る「ベンセ湿原」など見所はたくさんありますが、夏の間ひときわ賑わうのは、砂丘地帯の名産「メロン」「すいか」の出店が連なる「メロン・すいか街道」ではないでしょうか。
私たちが普段食べているメロンは、西洋で発達したヨーロッパ型メロン。日本で古来から栽培されてきたのは東アジア型の「マクワウリ」で、縄文時代晩期にはすでに栽培が行われていたといいます。
時代が共通する「亀ヶ岡遺跡」と「マクワウリ」。両者を結びつけるのはかなり強引ですが、屏風山のメロンがおいしいのは、「ウリづくりの遺伝子を縄文時代から引き継いでいる」から。なーんて想像すれば、なんだかとっても楽しくなります。
メロン・すいか街道はふたつ。ひとつは国道101号の北浮田(鰺ヶ沢町)から大館(つがる市)まで、二十件近い出店が並ぶ数㎞の道。もうひとつは、同じ北浮田から北へ向かう全長22㎞で十件ほどの直売店が点在する広域農道「メロンロード」です。
出店のスタイルは、ビーチパラソルを広げただけの店から、小屋の庇を利用した店、作業小屋を売り場に仕立てた大きな店など、実にさまざまです。また、売っている果実がメロンとスイカに限らないところにも面白さがあります。大きなユウガオから昔懐かしいマクワウリ、カボチャなど、たくさんのウリが所狭しと並べれていました。
この街道が賑わうのもそろそろ終わり。「メロン、すいかはもう食べ飽きた!」などと言わず、機会があったらに是非お出かけください。by 義人
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