青森市古川の中心商店街の一画、
縄暖簾をくぐり、暗く狭い階段を地下1階に降りたところに
「六兵衛」という居酒屋があります。
店内には金魚ねぷたや津軽凧絵が飾られ青森らしを演出。
カウンター8席、小上がり12席ほどの小さなお店は、
7時にもなるとお客さんでいっぱいになります。
このお店の料理はどれも一品500円以内。
お酒も高いもので一合500円。
店の主人に言わせると「居酒屋なんてそんなもん」なんだそうです。
安く飲めるということも時には大切なことですよね。
店の壁には美味しそうなメニューがたくさん貼られていますが、
せっかくなので店の主人のお勧めをいただいてみました。
まずはとりあえず生ビールで喉を潤し、店の名物貝焼き味噌を頼みます。
お通しのつぶを楊枝で巻き取り一口。
つぶの苦みとビールの苦みの相乗効果を楽しみます。
そうこうするうちに貝焼き味噌がやってきたのでいただくことに。
直径15㎝くらいの中型のホタテの貝殻を鍋に見立て、
ダシに味噌を溶かして玉子をといた青森の郷土料理。
このお店では中にホタテの貝柱も入ります。
玉子と味噌のシンプルな組み合わせですが、
ふんわりとした玉子の甘さと味噌のコクが何とも言えなく良い組み合わせで、
ホタテがちょうど良いアクセントになっています。
貝焼き味噌を食べ終わる頃にはビールもなくなるので、
次は青森の地酒田酒を二合ほど頼みます。
美味しい刺身も食べたいので、大将のお勧めの刺身を注文。
田酒のしっかりとした米の味は、刺身にもぴったりです。
そろそろ少しお腹も空き加減なので、この店自慢のオリジナル料理げそ揚げを注文。
いっぱいのダシの中には揚げたてのげそがたっぷり入り、
その上に大根おろしときざみ海苔がどーんと乗っかっています。
このお店の流儀に従い、これをしっかりとかき混ぜて食べると、
いかにも青森らしい濃い目のダシに大根おろしがちょうどよく溶け込み、
これにげそ揚げがよく絡んでくるので美味しいこと。
げそ揚げを一口、田酒を一口、げそ揚げを一口、・・・、最高です。
ゆっくり飲んで食べていると、
時間もかれこれ1時間半くらいになったので、
最後は締めに焼きおにぎりを注文。
このお店では開店当時からおにぎりの具は筋子と決まっています。
焼かれた味噌の香ばしさと筋子のコクの組み合わせは嬉しい限りです。
こうして約2時間、お腹いっぱいになるだけ飲んで、食べてだいたい3,000円。
「居酒屋なんてそんなもん」を満喫しちゃいました。
by YOSHIHITO
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。