「嶽きみ街道」、「メロン・すいか街道」の続きは「焼きイカ街道」です。
日本海に面した「鯵ヶ沢町」は鎌倉時代から開けていた港町。江戸時代は日本海海運の藩御用港として、また上方と北海道の中継港として栄華を極めた地です。津軽藩初代藩主為信公の祖先にあたる大浦光信公が同町種里に入部したことから”津軽藩発祥の地”とも言われています。
鰺ヶ沢は海の幸に恵まれた土地柄。イカやタイ、エビ、カニ、サザエなどの魚介類や薫製、寒干しなどの名産品にことかきません。なかでも有名なのが、新鮮なイカを日本海の潮風にさらす「イカの生干し」です。この町を貫いている国道101号は、名産の生干しイカを焼いてくれるお店がたくさん立ち並ぶため、「焼きイカ通り」という名前まで付けられました。
炭火でイカを焼いている店先には、すぐ前に広がる日本海の磯の香りと、イカが焼けるなんとも言えない香りが漂います。そして、ズラリと並んだイカのカーテン、カーテン、カーテン。この香りと光景に誘われ車が行列をなすことも少なくありません。
(↓写真はピーク前の平日。休日はこんなもんではありませんよ。)
お店の人によると、生干しが最も盛んな時期は、大勢の帰省客たちがやって来るお盆の頃。干しても干しても、焼いても焼いても間に合わないのだそうです。その頃は、おそらく「イカのカーテン」というよりも、「イカのナイアガラ」と呼ぶのが相応しいことでしょう。
ここの焼きイカは塩で味を調えるだけなのだそうです。干し方、焼き方、そして塩加減と、すべてが熟練技なのでしょう。肉厚でぷりぷりとして焼きイカをほお張ると、塩だけとは思えないほど深い味わいが口の中に広がります。もしかしたら、日本海から吹きつける潮風までもが天然の調味料となって、生干しイカを一層おいしくしてくれているのかもしれません。
焼きイカは、お店や大きさによっても多少異なりますが、一杯250円くらいから。もちろん、土産として生干しのまま買うこともできますし、イカ以外の魚介類もたくさん販売しています。
青森の西海岸へお出かけの際は、この焼きイカ街道にちょっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。その地のものをその地で食べるって最高ですよ。 by 義人
【追加】肝心の「イカのカーテン」の写真を掲載し忘れていました。追加します。
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。