ももは中国原産のバラ科の作物。
日本における栽培の歴史は古く、縄文時代(弥生時代という説も)に渡来したと考えられていますが、現在流通している品種は明治時代の初頭に中国や欧米から導入した品種などを改良したもの。青森県へはりんごと同じ明治8年にもたらされました。

導入直後の栽培の記録は残念ながら見つけられませんでしたが、明治17年に五戸町のモモが盛岡や津軽を始め郡内各地に送られたと記録されていますから、本県の桃栽培は120年以上の歴史があることになります。
ももの魅力は、あでやかな姿とやわらかい果肉、たっぷりの果汁。
独特の芳香とあの甘味は、俗世間を離れた別天地「桃源郷」のイメージと重なって、食べるだけで幸せになれそうな気がしてしまいます。
青森の主な品種は、早生の「あかつき」、中生の「白鳳」、晩生の「川中島白桃」など。
品種的に大きな特徴はありませんが、北国の気候を利用した”秋出し”の産地として知られています。
桃といえば7月~8月が旬の”夏果物”。
ところが、青森の桃ときたら、一般的な旬を過ぎた8月中旬から9月末にかけて登場するのです。

もともと温暖な気候を好む桃は、青森県(及び北海道渡島地方)が分布の北限とか。
ゆっくり、じっくりと成熟する北国の桃を召し上がってみてはいかがでしょうか?
桃は、完熟すると果実の劣化が早いので、完熟のちょっと前に収穫し販売されています。色だけに惑わされず、しっかり追熟させてから召し上がってください。 by 義人