このブログで何度となく紹介しましたが、
青森県は”日本一のりんご産地”です。
栽培はもちろん、
りんご産業を支える試験研究も盛んで
これまでに数多くの優れた品種を世に送り出してきました。
ここ数年でデビューした新品種は、
コクのある酸味がしっかり利いた食通のためのりんご「彩香」、
手頃な小ささと薄い果皮がうれしい丸かじりりんご「星の金貨」、
蜜がたっぷりで濃い紅色がどこか懐かしい「北紅」などなど。
どれもこれも、甘さだけじゃない、確かな個性を持った品種ばかりです。
そしてまた、新しい品種が仲間入りします。
今度のりんごはズバリ!「変色しにくいりんご」あおり27号。

りんごを切ると、時間が経つにつれて果肉の表面が茶色になってしまいますよね。
食べてはもちろん大丈夫なんですが、
なんだか冴えない果色なので、ついつい敬遠しちゃったりして・・・。
変色しなきゃどれほど嬉しいか!・・・なんて思ったことありませんか?
でも、りんご試験場が育成した新品種「あおり27号(品種登録申請中)」は違います。切ってもすり下ろしても、茶色に変色しにくいんです!(↓りんご試験場提供)
りんごが変色するのは、果肉が空気にふれると、果肉中のポリフェノール類が酸化酵素のポリフェノールオキシターゼ(PPO)という物質によって酸化されるため。この「あおり27号」は、PPOの働きが弱いのではないかと考えられています。
だから、変色を防ぐために切った後塩水につけたり、酸化防止のためにビタミンCを添加したりしなくても良いんですよ。しかも「金星」の血を引いているので甘味がとっても豊か。
この新品種の愛称(※)は未定。4月を過ぎてもフレッシュなおいしさを楽しめる「あおり21号」とともに愛称募集中(〆切は3月7日)ですから、とびっきりの名前が思い浮かんだら、是非応募してみてください。

※「あおり」は「青森県「りんご試験場」の略で、番号は育成品種の通し番号です。
青森県では、認可までに長い期間を要する品種登録を「あおり○号」の系統名で先に申請し、その後親しみやすい愛称をつけて商標登録する方法で、育成品種の保護とデビューまでの期間短縮に努めています。
by 義人