黒石で「ちょい旅カイグイ」
抹茶くりいむ大福 寺山餅店
津軽平野の南東部に広がる黒石市は、江戸後期、弘前藩の支藩・黒石藩1万石の城下町として栄えました。その中心部に位置する中町には、軒先を張りだしアーケードのようにした当時の代表的な商家建築「こみせ」が残り、通りを形成しています。
文政7年(1824年)創業の老舗「寺山餅店」は、この古くからの商人町で餅の製造、小売りをしてきました。
歴代の当主はその時代にあった独自の商品を作ってきたようです。
6代目はきなこをまぶした青粉餅を、7代目は串餅を主力に外商に力を入れ、8代目は、しとぎ餅の他、おはぎやいなり寿司などもち米を使った商品に挑戦してきました。
現当主である9代目正幸さんは、「お客様の都合で食べられるお餅」をめざし、作りたてを急速冷凍することで、解凍される度に出来たての味をいただける、そんな商品の開発をしてきました。
【抹茶くりいむ大福】 105円/1個
寺山餅店の一番人気です。
お餅の最大の欠点は日持ちしないこと。
寺山餅店のように特に添加物などを使わないお餅は丸1日もすれば餅がカチコチに固くなってしまいます。
9代目は、お客様が「食べたくなったときにいつでも食べられるお餅」をお客様が望んでいる、とつきたて、出来たてのお餅を急速冷凍し、解凍すればいつでも出来たてのおいしさや食感を味わえる、そんなお餅を作ろうと取り組みました。
抹茶くりいむ大福は、抹茶を練り込んだ餅生地の中に上質のあんことコクのあるクリーム、それでいて甘さ控えめ。
適度な小ささはついつい手が進んでしまう、そんなおいしい大福です。
夏なら30分で解凍され、食べられます。
買って、少し歩いているだけで解凍され、つきたてのお餅が食べられます。
夏は特に冷たくておいしいですよ。
【四半餅・しはもち】 420円/1袋
江戸期から作っていたのでは・・という老舗の寺山餅店の中でも古くから作られている四半餅(しはもち)。
上新粉とあんを練り合せ、臼と杵でていねいについて作ります。
江戸時代からの手法そのままの当店自慢のお餅です。
「あずき」「しろあん」「ごま」の三種類がありますが、全て素材の色。
青森県内でいう「鯨餅(くじらもち)」のようなものですが、古くからの製法をそのままにしてお客様にお出ししたい、とこだわり続けている一品です。
この他、味付けした「おから」を大福生地で包んだ、「甘くない大福」のおから大福。
お餅とおからのバランスが織り成す、「ハマる味」は冷凍で提供しています。(105円)
日本の道百選のこみせを散歩しながら、藩政時代からの老舗に立ち寄る。
そんなちょい旅も情緒があって楽しいです。 byなおき
[メモ]
寺山餅店
黒石市中町36-1 0172-52-2826
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。