いよいよゴールデンウィーク突入!
旅に出るとついつい欲しくなるのがお弁当ですが、
八戸市には45年間も変わらず愛されている駅弁があるんですよ。
脂がのった分厚い鯖と大きな紅鮭の押し寿司。
吉田屋(八戸市)の「八戸小唄寿司」です。

このお弁当が誕生したのは昭和36年のこと。
仲間が集まって「八戸らしいお土産をつくろう!」と知恵を出し合い、八戸に大量に水揚げされる鯖と奥入瀬川のニジマスで寿司を作ったのがきっかけです。この時は結局失敗に終わりますが、この寿司づくりを引き継いだ吉田屋がニジマスの替わりに紅鮭を使用し、現在の小唄寿司が誕生したのです。
今や全国区の人気となった「八戸小唄寿司」ですが、発売当初は地元で全く売れなかったと言います。5本つくれば5本売れ残り、3本に減らせば3本売れ残る日々が続いたのだとか。「何度も止めようと思った」と二代目女将ヨネさんが明かしてくれました。
そんな小唄寿司に転機が訪れたのは昭和38年。横浜高島屋の「全国駅弁大会」で実演販売したところ、行列ができる大人気となり、その数年後には全国駅弁コンクールで第1位に輝いたのです。

何度食べても飽きがこないこの味は、明治・大正・昭和・平成の4時代を生き抜いた初代女将故・トシさんの味付けです。塩と酢の調合や魚の締め方など、今でもトシさんが考案した昔のままを貫いているのだそうです。だから化学調味料も使用していません。(添付される袋醤油と袋生姜を除く)。
食材選びにもこだわりがあります。唯一の具材である鯖と紅鮭は、脂がのりすぎていてもダメ、身がやわらかすぎてもダメなのだそうで、必ず女将自らが出向いて納得した物だけを仕入れてくるといいます。
そして包装にもこだわりがあります。パッケージでは笹の葉なのに実際はビニールが使われているため、”コスト削減”と勘違いされることが多いようですが、実はコレ、寿司を密閉して風味を落とさないためのこだわりなんです。だから、弁当のサイズに不釣り合いなほど大きなビニールが用いられていたんです。見た目をとるか味をとるかと悩んだ末、発売当初からビニールで通しているのだそうです。
小唄寿司は三味線のばちをかたどったへらで好きな大きさに切って食べます。少し強めの酢加減、分厚い鯖と紅鮭の食べ応え、あっさりした酢飯の後味。45年間変わらず愛されている理由がここにあります。ホント、何回食べても飽きることがありません!うまいです。

(↑このくらい好きです・笑)
このお弁当は1個1100円。八戸駅や東北新幹線はやての車内などでお求めできます。旅の途中でぜひどうぞ!by 義人