青森県の花をご存じですか?
「県の花」は本県特産の「りんごの花」。
青森県政100年を記念して1971年に指定されました。

りんごの花は、桜と違って、葉とほぼ同時に開きます。
サクラのような派手さはありませんが、
ピンクのつぼみとふっくら開いた真っ白な花びら、
若々しい緑のコントラストは、
サクラにも負けない美しさだと思います。
私たちは、そんなりんごの花々を「きれいだな~」と眺めるだけですが、
りんご農家の方々はそうはいきません。
花が咲くと本格的なりんごシーズンの始まりなのです。

りんごは、葉の真ん中に5つから6つの花を咲かせますが、
全部をりんごに育てるわけではありません。
養分がぎゅ~っとつまったおいしい実を育てるため、
真ん中の花を残してあとは摘み取ってしまうのです。
これが”摘花(てきか)”という作業。
花が咲いているのは数日だけですから、
りんご農家はこの時期、朝から晩までりんごの花摘みに追われます。

先週、弘前市のりんご公園を訪ね、
歌碑の前で「りんご追分け」を聞いていたら、
その周りに広がるりんご園の中では、
たくさんの人たちが摘花作業に追われていました。
いつ終わるのか訪ねたところ、
「終わるまで終わらない」という陽気な声。
普段何とも思わずに食べているりんごは、
気の遠くなるような手間をかけて大切に育てられているのだと、
改めて実感しました。
今年もおいしいりんごが実りますように!
by 義人