今の生活の中で「飴」と聞けば、ついつい「のど飴」を思い浮かべがちですが、
青森には、今もなお昔ながらの方法で手作りされている、
素朴で懐かしい「あめ玉」があるんですよ。
道の駅「しちのへ」にズラリと並んでいるので記憶にある方も多いと思います。
七戸町の澤山製菓さんがつくる「すごろく飴」です。
昭和7年生まれのご主人が、当時青森市の古川にあった製菓店で修行を積み、この七戸町に飴屋を開業したのが23歳のとき。それ以来、少しずつ種類を増やしながら、「すごろく飴」を作り続けてきました。
飴づくりは、水飴に砂糖を調合し、煮詰めるところから始まります。
飴の種類によって、上白、三温糖、ザラメ、黒砂糖などを使い分けるのですが、そのレシピは全てご主人の頭の中。苦労して築き上げた秘密のレシピで、もちろん化学調味料は使用していません。
ご主人によると「飴づくりで一番難しいのは煮詰め具合」。
煮詰める温度、時間で味は微妙に変わってしまうのだそうで、
煮詰めすぎれば苦くなり、逆に足りなければ食感が悪くなって味にも影響するのだとか。
一瞬のタイミングで引き上げられた飴は、
”冷やし”と呼ぶ大きなトレイで冷やされ、
形が整えられ、
切断されて一口大の飴となります。
目の前で繰り広げられた飴づくりの光景は、
私の想像を超えた「熱と時間との戦い」。
一秒ごとに変化する温度の先回りをするように、
息つく間もなく次から次へと作業が行われ、
グツグツと煮えたぎっていた飴が見る見るうちに飴玉となっていくのです。
澤山製菓がつくる自慢の飴は約30種類。
人気の飴は、醤油を加えた甘しょっぱい「茶大玉」、
創業当時から変わらない黒砂糖の入った「黒玉」、
黒砂糖を二色にして押しつぶした「つぶし」など。
最近では、特別に取り寄せた津軽産りんご果汁を加えた「果汁りんご飴」、
陸奥湾産ホタテの粉末を加えた「ホタテあめ」なども人気を集めているとか。
道の駅「しちのへ」のほか、
「スーパーカケモ七戸店」や「津軽藩ねぷた村(弘前市)」、アンテナショップ「あおもり北彩館(東京飯田橋)」などで買うことができます。
小さい頃に食べたあめ玉の記憶は、
”あたたかい甘味”と口の中で転がせないほどの”大きさ”。
昔ながらの「さいころあめ」を頬張ると、
あめ玉で頬を膨らませていた懐かしい光景が浮かんでくるようです。
by義人
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