くどいようですが、
バナナ型の最中の皮にバナナ風味の白餡を詰め込んだ「バナナ最中」は、
バナナが高価な果実だった頃、
この香りと甘味を手頃な菓子で食べられたら喜ぶだろうと、
津軽の菓子職人達が苦労の末に作り出した津軽郷土菓子です。
「バナナ最中」が分布するのは津軽地方から秋田県北のエリア。
青森市内と弘前市内、そして大館市内(秋田県)で
あわせて5軒のお店がバナナ最中を製造・販売していることがわかり、
私の「バナナ最中研究」は一段落したはずでした。
ところが!新たなバナナ最中が発見されたのです!!(笑)
先日、鰺ヶ沢町内を車で走っていたときのこと、
筆字で「バナナ最中」と書かれた貼り紙を出しているお店を発見!
もはやあの5店しか残っていないと信じていた私は、
恐る恐る「このお店でつくっているんですか?」と尋ねたところ、
不思議そうな顔をしつつも「そうです。」とキッパリ。
迷わずまとめ買いしてしまいました(笑)。
中学卒業と同時に和菓子の道に入った昭和13年生まれの二代目によると、
満州から引き上げて菓子屋を開いた父親(初代)は、
当時やわらかい餡を入れた「バナナ最中」を作っていたようですが、
お客さんから堅い餡のバナナ最中を作ってくれと注文があり、
二代目が試行錯誤して現在のバナナ最中をつくり上げたのだそう。
”あげた(上顎)”にくっつきにくいサクサクの皮に、
香り控えめで甘すぎないホクホクの白餡。
実に素朴な味わいのバナナ最中です。
昔ながらの「バナナ最中」はこれで6店目。
私の「バナナ最中研究」はこれで終わりなのでしょうか(笑)。
by 義人
【お店情報】
岩山菓子舗(鰺ヶ沢町田中町24 電話:0173-72-7543
バナナ最中 1本105円
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。