弘前の洋菓子・和菓子たち。
弘前市というところはおもしろいところ。
18万人ほどの街に電話帳で調べても、洋菓子和菓子店が70件もあり、2700人に1軒あるという激戦区。ちなみに世田谷区で同じ計算をすると3800人に1軒、横浜市だと5800人に1軒。
この密度はスゴいもの。
実際、市内には洋菓子店、和菓子店が密集し、歩いてハシゴできるほど。
そんな弘前の知人から伺ってみると、やはり「あそこのアレ」とご贔屓店のお気に入りがあるようです。
そしてお店の方からお話を伺うと、どこのお店にも商品選択眼の厳しい弘前の方々に愛され続けてきた理由がありました。
全店はちょっとできないとは思いますが、その中から数店、和洋取り混ぜてこれから美しくて甘いお話を数回書いていきたいと思っています。
◇◇ル・ショコラ◇◇
弘前の北大通り(きたおおどおり)の中央分離帯に植えられたラベンダーはもう弘前を代表する風物詩と言ってもいいほど。
眩しいほどの青いゆらめきと近くに行くとさわやかな香り。
ピンク色のさくら、白いりんごの花、そしてこのラベンダーとお花リレーは目を楽しませてくれます。
その北大通りと中央通りとの交差点の近くにル・ショコラはあります。
オーナーでパティシェの秋元さんが89年(H1)に開業しました。
秋元さんはもともと菓子店で販売をされていた方。
販売するとどうしても商品知識が必要になる。そこで作り手になろうと思ったが始まりだそうです。
ですが、下積み時代、一度辞めます。
職を代え再出発した2年後、以前の職場に注文を取りにいきます。
すると下積み時代、一緒に苦楽を共にしていた同僚の腕前がもの凄く上がっているのに驚き、雷に打たれたようになった、と言うほどの衝撃だったようで、「もう一度やってみたい」と、発奮します。
弘前を離れ修行を積み重ね、そして弘前のルネス街のオープンのタイミングで出来たチョコレートで名の知れたお店へと戻ってきます。
ここでチョコレート菓子づくりがますます好きになっていきます。
ル・ショコラは、当時チョコレートを使った本格的な菓子がまだまだ珍しかったこともあって、そのものを店名にしました。
お店の名前をそのまま使った「ル・ショコラ」は創業以来の味。
今風にもっともっと改良したいけれど、この味を気に入ってくれている方々のために変えられないんだと秋元さん。どのケーキにもファンがついているので、種類が増えてしまっているのだとか。
夏向きのケーキが増えてきたガラスケースの中はつるんとした食感の涼しげなスイーツがたくさん。
ベリーココはつるるるルン。ナッツプリンはヘーゼルナッツの香りがたまりません。
もちろん、チョコレートもいっぱい。
アラカルトで楽しめますよ。 byなおき
<データ>
洋菓子工房 ル・ショコラ
住所:弘前市山下町12-1
電話:0172-37-6761
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