先週のある日、酸ヶ湯に行ってきました。
人に会うためだったのですが、
思いがけず素敵な”ご馳走”にも出会ってしまいました。
筍おでん?山菜そば?そばまんじゅう?ごへーいもち?
いえいえ、出会ったのはこちら!「八甲田牛焼」です。
(↑実物は、写真の見た名以上にとってもおいしかったんですよ!)
八甲田牛(はっこうだぎゅう)とは八甲田山麓で飼養された日本短角牛(日本短角種)のこと。
日本短角牛とは、北東北在来の「南部牛」に世界三大肉用種のひとつ「ショートホーン」を交配して育成した牛で、サシ(霜降り)は入りませんが、飼いやすく肉質も優れているため、青森県でもずーっと前から飼育されてきました。
(↑注文すると目の前で焼いてくれます。焼く前の八甲田牛も撮らせていただきました。)
しかし、全国統一の市場規格が”サシ”の多さを基準にしているため、農家はサシが入りにくい日本短角牛より、サシが入りやすくて高く売れる黒毛和種を飼育するようになります。さらに牛肉の輸入自由化で価格が急落。ピーク時に年間出荷頭数200頭を超えていた八甲田牛は、2006年はわずか4頭まで激減し、市内の店頭から姿を消してしまったのです。
その超レアな「八甲田牛」が、なんと酸ヶ湯温泉の売店で販売されていたのですから、食べないわけにはいきません。
塩・コショウに隠し味の赤ワインを加え、さっと焦げ目がつくほどに焼き上げられた八甲田牛は、黒毛和牛のような脂はなくとも、肉汁たっぷりでとってもジューシー。脂の味に惑わされない赤肉そのものの美味さを味わうことができました。実は、うま味成分であるアミノ酸は、黒毛和種より日本短角牛に多く含まれることがわかっているのだそうです。
(↑ごへいもちの「へ」と「い」の間を伸ばしているのが気になります。ヘイヘーイ!バッチ来ーいっ!って感じでしょうか。笑)
香ばしさもたまらない焼きたての「八甲田牛焼」は1パック100グラムで500円。
この100グラムは予想以上のボリュームでかなり食べ応えがありましたよ~。
日本短角牛は、体が丈夫で病気にも強く、母牛は子育てが上手なので放牧に非常に適しているといいます。夏は広大な放牧地で伸び伸びと過ごし、冬は農家の畜舎で愛情いっぱいに育てられる日本短角牛の出荷頭数は、県全体で見ても決して多くありません。
サシの多少だけでは計れない「日本短角牛」のすばらしさが広く評価されるようになることを祈ります。がんばれ日本短角牛!がんばれ八甲田牛!!
by 義人
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